TATAKI

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TATAKI

工法規模  :  木造2階建て

敷地面積  :  289.98㎡  87.71坪

延床面積  :  120.07㎡  36.32坪

玄関戸を開けると“TATAKI”という物件名の由来になっている広い土間スペース。
10畳を超える広さを持たせたそこは、靴が大好きなご夫妻が、愛用の靴たちをディスプレイしておくための場です。
奥の一角には、靴のリペア職人であるご主人が靴を磨くための作業場も用意しました。
初回の顔合わせから“おばあちゃんの家に行った時みたいな懐かしさ”を求められていたご夫妻。
昭和時代のレトロな雰囲気は大切にしつつ、現代的な若々しさも同居する家になりました。
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高千穂シラスさんの『そとん壁』を採用した外壁。風合いが素晴らしく、普段さまざまな外壁を使用しますが
見た目や性能など、総合的には塗り系外壁材の中で最高峰の部類に入ると思っています。
(※そとん壁については過去記事でも触れています→そとん壁 仕上げ塗り
そとん壁の外壁|杉板張りの軒天と鎖樋の写真
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銅製の鎖樋は、取付け直後は上の写真のようにピッカピカ。
でもすぐに、ものの数日で落ち着いた色合いに変化してきます。
そとん壁の外壁|杉板張りの軒天と鎖樋の写真
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昔、多くの家には当たり前のように広い土間空間がありました。
赤土・石灰・にがりの3つを混ぜてたたき固められたその床は“三和土(たたき)”と呼ばれ
玄関の役割のほか、炊事場や作業場として多目的に使える自由な空間だったのです。
この家ではお施主さんの生活スタイルを考えたとき、土足で使えるそんな空間が真っ先にイメージされました。
ただしワラジならともかく、底の堅い革靴やヒールには三和土は適していませんから床はモルタル仕上げです。
よって三和土ではなく、TATAKIです。
和風の玄関|広い土間スペース
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ご主人のコレクション、ALDEN(オールデン)のチャッカブーツをはじめ、磨き込まれた各種革靴たち。
本物のリンゴ箱を積み重ねたシューズボックスに整然と並べられています。
オールデンのチャッカブーツ|ALDEN
革靴のメンテナンス用ブラシとオイル
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ブラシ用のラックは、作業灯の照明カバーを兼ねてウォールナット材で製作。
ブラシの落下防止用として真鍮のバーを壁に埋め込みました。
靴磨き用のブラシセット
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玄関の土間スペースは、北側の落ち着いた明かりを入れるため梁と梁の間をガラスにしています。
これを実現するため、構造計算屋さんやプレカット業者さん、現場監督とかなり密に打合せを重ねた部分。
面戸板をガラスにした玄関|木製ストリップ階段
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リビングにある大きなFIX窓から見えるシンボルツリーはモミジを選びました。
初夏からは鮮やかな緑で、秋には真っ赤に紅葉。季節を感じられる樹木はいいですね。
うん、ショベルカーもオシャレですね。
リビングの大型FIX窓から見たシンボルツリーの写真|モミジ
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この家では無垢の真鍮や銅でできた部材を多用しています。
細かいところですが、こういった部分の質感はとても大事。
真鍮の水栓
真鍮製の六角形スイッチ
裸電球を使ったアンティーク照明と真鍮製タオル掛け
真鍮製のかんぬき錠


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