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木の話~松~

冬の風物詩、こも巻きされた松の樹を見つけました。
幹にこも巻きされた松の写真
地面から1~2メートルの高さで、幹にゴザのようなものを巻きつけられた松の樹を
きっと見たことがあると思います。
理由を知るまでは“防寒対策?”とか“飾り?”などと適当なことを考えていましたが、
これにはれっきとした意味があります。
マツカレハという松につく害虫がいるのですが、その幼虫が越冬するために冬前になると
こもの中へ集まり、春先になったらはがして焼却駆除するという害虫対策なのです。

なるほどと感心した覚えがありますが、近年の調査では衝撃の事実が判明しました。
調査チームが数年に渡ってこもの中にいる虫の内訳を調べたところ
マツカレハが数匹だったのに対し、マツカレハの天敵であるいわゆる益虫がその数百倍。
効果がないどころかやらない方がマシという目もあてられない悲惨な結果に・・・
事実現在では皇居をはじめ、こも巻きを中止している例が増えているといいます。
いやー、江戸時代から何百年も続いてきた伝統でもこんなことあるんですね。


2015.01.31 | Category 木の話