延び延びになっていた「六名の家」の1ケ月点検、本日行ってきました。
竣工写真はこちらです → 六名の家
玄関正面にある、竹細工作家の八柳良介さん作の六つ目かごを使った照明。
訪れた人からは「旅館みたい!」と非常に好評なようです^^
引き渡しに間に合わなかったキッチンカウンター上のペンダントライト。
アンティークな風合いの鋳物シェードが付いています。
夜間だとこんな感じ。背後の間接照明と合わせて空間のアクセントになります。
シェード内側の銅の色が素材感出てていいですね。
壁の大谷石も、竣工直後より緑味が増して良い感じに育ってきていました。
大谷石は石としてはやわらかい部類で、特に茶色の部分は他よりもろいため
ポロポロと表面が取れてきている部分も見受けられたのですが
「こういうのも含めて本物ならではの事だし、これでいいと思っている」
というご主人の男前な発言に助けていただきました。
南面の窓際に造りつけた木製ベンチには、色とりどりの丸い座布団が置かれています。
現在ご一家は床座の生活をしてみえるので、このベンチが腰掛けになったり
ひじ掛けになったり、暮らしの中でうまく活用してくれているようでした。
もう既に使われているのか聞くのを忘れてしまいましたが、このベンチ下の一部は
お掃除ロボット、ルンバが帰るための巣になっています。
リビングに面した小さな飾り棚を利用して、かわいらしいリースが飾られていました。
こうしてちょっとした部分におしゃれな小物があると華やかになりますね。
住み心地を伺ったり思い出話もしながら約2時間、長居をしてしまいました。
お知り合いの方々からの評判(実は内心かなり気になる部分)も上々なようで、
何よりご一家がこの家での生活に満足して日々を過ごされていることが嬉しかったです。
Hさん、今日はありがとうございました^^
駐車場から建物の地盤面までが少し高くなっている『六名の家』では、車いすを
使用されているお母さんのために昇降機を設置し、バリアフリー化を図っています。
玄関のアプローチ部分に車いす用スロープを設けたいという要望はときどき
いただくことがあり、もちろん今までもスロープをつけたことはあるのですが
段差が高いときは上がりきる為に結構な距離をとる必要があります。
車いす用の昇降機を使うと、スロープに必要だった分の面積を他の事(駐車場や庭)
に使えますし、何より車から玄関までを最短距離でつなぐ事ができます。
気持ちの良い秋晴れの中、今日は『六名の家』の引き渡しです。
奥様からはこの家に『Casa de Mutsuna』(※六名の家 の意)という別名も
付けていただきました。うちの事務所名にもなっている“Casa”という言葉を
入れたかったと言ってくださり、本当に光栄で嬉しいことです。
施主のHさんご夫婦がお好きな、とある島にある宿。去年の春、初めてお会いした時に
言われたのが「この宿みたいな雰囲気の家が好きです」という一言でした。
その宿が持つ“良さ”とは何か、この宿の一体どの部分に惹かれているのか、
それを必死に考えるところから今回の家づくりは始まりました。
決して洋風ではなく、かといって純和風でもない。
和モダンってどういうことなのかを、再度自分なりに考え直すきっかけになった家です。
いつもながら引き渡してしまうとあっという間だった気がしますね・・・
Hさん、約1年半もの間ありがとうございました。この度はおめでとうございます!
次回は来月、入居1ケ月目の点検でまた伺いますね^^
『六名の家』の竣工写真を撮影して来ました。
雨天と晴天で2回に分けて撮ったので、同じアングルでもどちらのバージョンを
採用するか迷うところ。
選定はこれからですが、個人的には和風の家と雨の組み合わせは嫌いではないので
メインの室内写真はおそらく雨の日バージョンを使います。
湿度を感じるような少し薄暗い室内から、雨に濡れた瑞々しい庭が見えている、
この家の魅力を伝えるにはそんなイメージの写真が良さそうな気がしています。
ただ、家の目の前にカーポートがあるため外観写真をどうするかが悩みですね。
今日は自分の車のルーフによじ登って撮ってみましたが、やはり全景は無理そう・・・
竣工写真はあまり遅くならないうちにアップする予定です。
ミズメザクラの一枚板を使った玄関の式台。
下部に間接照明を入れて足元を照らすことで落ち着いた雰囲気を作っています。
もうほとんど完成の『六名の家』
全貌はまだ先ですが、部分的に撮ってきた写真を少しだけ・・・
リビング。照明で照らされた壁は漆喰塗りです。
寝室。勾配天井には煤竹(すすたけ)を這わせています。
玄関。正面のブラケット照明に六つ目かごをかぶせます。
当初からの要望であった“和モダン”というテーマに沿って、しつらえや素材を
検討しています。完成目前にしてなかなか良い雰囲気。竣工が楽しみです!
仕上げ工事も終盤の『六名の家』
キッチンカウンター下の壁は大谷石を使っています。木のクサビで調整中。
ツガのパネリング材を使用した造作建具。穴の部分には丁番が入ります。
表面が凸凹だったりムラがあったり、一筋縄では行かないそんな部分が
自然素材にはありますが、それが永く愛着を持って使って行ける
要因のひとつだったりするのかなと思います。
群馬県在住の竹細工作家 八柳良介さんに依頼をして、“六つ目かご”という竹かごを
製作していただきました。
これは今工事中の『六名の家』で玄関正面のアイキャッチとなる壁付け照明に竹かごを
組み合わせたいというところから始まったのですが、せっかくなら既製品の流用ではなく
しっかりとした物をと思い、行きついたのが八柳さんのホームページでした。
八柳さんホームページへ→青竹細工道場
※ページ最下部のE-mailより、作品購入の依頼ができます。
何度かメールでやりとりをする中で、ご親切にも“試作品を作りましょうか”といった
ありがたい申し出までいただき、そこまでは大丈夫ですと言ったのですが、結局竹の
表面を削ったものと削らないもの、ご厚意で2通りのパターンを製作してくださいました。
削った場合は飴色に、削らない場合は艶のある藁色に、時間の経過とともに
変化して行くという事のようで、今回は削った方をお願いしました。
そして昨日届いたのがこちらの六つ目かごです。
全体が六角形と小さな三角形で構成され、点光源で照らすと美しい陰影があらわれます。
よく見ると、竹どうしの交差部にちょうど節が来るよう配慮されているのが分かります。
かごの縁部分の形状は円形、底へ行くにつれて六角形へとゆるやかに移行します。
竹ひごの表面がきれいに削られているのが分かるでしょうか。
均一な間隔を保って、手作業で丁寧に編み込まれています。
手に取ってまず驚いたのが、その作りの堅牢さです。
目の粗い竹かごなので、大変失礼ながらもう少しふにゃっとした感触を想像して
いたのですが、手で強めに押しても全く変形せず、ビクともしません。
竹ひごの厚さと作業のしやすさは反比例すると思うので、その辺のさじ加減が
職人の技なのでしょうね。
今はまだ竹の青さが残っていますが、今後の色の変化が楽しみです。
物を入れるというかご本来の使い方としては、柿やミカン、季節の果実などを入れて
置いておくだけで雰囲気がぐっと良くなりそうです。
和の物が好きなので、これはいずれ自分用にも欲しくなってきました。
八柳さん、この度は期待以上の作品をどうもありがとうございました。
せっかくのご縁ですから今後も交流をさせていただければと思います。
『六名の家』の完成は9月中旬になりますので、かごの取付けが出来ましたら
あらためてまたこのブログでも紹介させていただきます。