2016年最後、『碧南の家』をWorksに追加しました。
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みなさま本年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。
良い年末年始を過ごされることを願っています。
Casa design 冬季休暇について
2017年1月1日~1月7日までをお休みとさせていただきます。
この間、電話やメールなどの対応が遅れてしまうかも知れませんが
頂いたご連絡には必ず折り返しをいたします。
ご不便をお掛けしますが、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
それでは良いお年を!
『碧南の家』の竣工写真の選別作業が全然進んでいません。
何せ撮ってきた写真が数百枚で、その中からWORKSに載せるのは8枚。
じっくり腰を据えて、それこそ1日仕事でやる覚悟じゃないと片手間ではできません。
撮影の時に、もっと時間をかけて一枚一枚のクオリティを上げた方がとも思いますが
写真の腕も未熟なため、とにかくいろんな構図でたくさん撮っておかないと不安なのです。
このあたりはWORKSに載せる予定は無いですが、日没直前の空の色がきれいです。
もう少し時間が進んで群青色の空。
この他にも同じ時間帯で撮った写真が何枚かあり、それらは使うかもしれません。
施主のNさんもまだかまだかとHPをのぞいてくれているようなので申し訳ない限り。
ね、年内には・・・
先月引き渡しを終えた『碧南の家』です。
ボルダリングをするためのクライミングウォールは建築工事で壁だけをつくり
ホールドは未装着状態での引き渡しでしたが、その後、施主のNさんがネットで購入。
主にお子さんの恰好の遊び場となってくれているようです。
実際に登って見せてくれたNさん。見事二階へ通じる入口へとたどり着きました。
専用のシューズを履かずに登ると足の裏がメチャクチャ痛く、僕はちょっと登って断念。
よく靴下で登れるな・・・
作っている最中はこんなふうです。
ホールド受けのネジ穴が付いた専用の合板を使って壁仕上げ。
重量がかかる部分なので、ネジ穴を外した位置には下地がガチガチに入っています。
全景。二階部分の横穴がゴールですね。
クライミングウォールを囲むように付いているスチール部材は、
懸垂バー・物干し・のぼり棒などの用途として。フックで植物を吊るしても似合います。
随分前に書いた記事「木造建築のスチール柱」で、ここの説明が投げっぱなしに
なっていたので補足です。
反対側。クライミングウォールの裏側はウッドデッキです。
登り切った二階部分に付ける手すりもスチールの造作。
これを持ち、体を引き寄せるようにしてゴールします。
今回は入居1ケ月目の点検という事で伺い、鍋パーティーをしていただきました。
元々はBBQの予定でしたが、最近の冷え込みで急遽変更。BBQはまた来年の夏ですね^^
滞在時間は点検含め6時間ほど。
ここのところ非常に仕事が忙しく、なかなかゆとりを持てない日々が続いていますが、
そんな中で本当にホッとできる楽しい時間でした。
Nさんありがとうございました!
Nさん。
はじめてお会いしたのはもう2年以上も前になりますね。
長い間、本当にありがとうございました。
これは引き渡しのたびに思う事ですが、無事引き渡しができてホッとすると同時に
やはり寂しいです。
ご自宅で昼食をごちそうになったり、一緒に材木を見に行ったり、
間取りの話でもないのにご主人とは6~7時間話していたこともありましたね。
本当に楽しかったなぁ・・・失礼ながら、途中からは友達に近いような感覚になっていました。
今こうして思い返していると、数えきれないほどの思い出があるのですが不思議と
それらをうまく文章にすることができません。
この引き渡しは一つの通過点で、これでつながりが解消されてしまうことはありません。
会う機会こそ減りますが、ここからは“人と人”としての、より近い関係性になれると
思っているのでこれからもよろしくお願いします^^
このブログのNさん専用のコーナー『碧南の家』は、当然このまま残るので
ときどき読んでこの家づくりのことを思い出してみてくださいね。
そうそう、竣工写真のほうもいずれアップするのでお楽しみに!
建築はなるべくシンプルに作りたいと思っています。
それぞれは小さな事ですが、下の写真は『碧南の家』でそれを意識した個所です。
インターホンと床暖コントローラー用のニッチ。もう一回り小さくてもいけそうですね。
フローリングが一部外れるようになっているこの部分は・・・
開けると中にはコンセントとガスファンヒーター用のガスコックです。
別にフロア用コンセントを普通に付ければ済む話なのですが、蓋を付けて中に隠しました。
壁・床・天井からの出っ張りを消すという事はスッキリ見せるひとつの有効な方法です。
でもこれを見て何となくは分かっていただけると思いますが
単純に “シンプル”=“装飾をしない”=“手間がかからない” とはならないわけです。
逆に、ごく普通に作るよりも思いっきり手間がかかります。
実は僕自身、昔はこういうのを見ても「そこまでする意味ある!?」と思っていたクチなので
皆が皆、賛同してくれるとは思っていませんが今は好みがコッチ寄りの路線です。
方法論は様々でも、細かい部分に意識を向ける事自体が大切だと思います。
関連記事:インターホン用ニッチ
『碧南の家』では、ほぼ一通りの建築工事が終わり、後は少々の残工事と外構工事です。
今日はお施主さんにも来ていただき、一緒に現場を見てきました。
リビングの造作TVボード。壁掛けTVのため、配線は壁内を通します。
化粧垂木が見えている天井面。
造作の洗面台はミラー下がタイル貼りです。
入り口がアール形状になった、1畳サイズのパントリーも仕上がりました。
薄明りにレンガ調で、少しワイン蔵のような雰囲気です。
隣の浅い棚はレシピ本などを立てかけておくためのブックシェルフ。
Nさんご自身も、今日は暑い中外で土間にタイルを埋め込んだりとお疲れ様でした!
いよいよ引き渡しまであと僅か。
笑ってその日を迎えられるよう、最後まで気を抜かずに行きたいと思います。
関連記事:1畳のパントリー 、光を拡散する乳白色 、大きめ化粧垂木
部屋の壁にあるちょっとしたくぼみの事を“ニッチ”といいます。
間接照明を仕込んでニッチ自体を演出のための要素に見立てることもありますし
何か実用的な意味を持って壁の一部に設けることもあります。
これは『落合の家』の玄関にある、間接照明を入れたニッチの例です。
そして近年よく見かけるのが、インターホンを壁から出っ張らなくするためのニッチ。
「インターホン ニッチ」等のキーワードで画像検索をするとたくさん出てきますね。
多くは数十センチ角の大きさで壁に薄く掘り込みをつくり、その中にインターホンを始め
照明のスイッチや床暖のコントローラーなどを整然と並べたものです。
でも僕は、大変申し訳ないのですがあの形状がかなり・・・かなり、苦手。
やりたい事がぼやけているというか、しつらえとして全くきれいだと思えないのです。
設備類が壁から出っ張らないようにする造作は、ホコリ対策の意味ももちろんありますが
一番はそのくぼみに納める物の存在感を出来る限り消したい場合の手段。
それなのに、わざわざ “見てくれ” と言わんばかりに額縁状のニッチを作り
まるでオブジェのごとくインターホンを飾っているかのような状態になっているのを
目にするたび思うのです。
“いったい何がしたいんだ・・・” と。
さて・・・自分で目一杯ハードルを上げてしまったところで、下の写真は『碧南の家』に作った
インターホン用のニッチです。
(※完成した写真はこちらをご覧ください→ カクス・ウメコム)
四方のクリアランスは数ミリ、掘り込み深さは設置する器具と同一寸法。
壁とツライチで前面パネルが収まるように作ったジャストサイズです。
ひとまわり小さいのは床暖コントローラー用のニッチで、インターホンよりも器具が
薄いため、それに合わせてニッチの深さも変えてあります。
如何に建築本体と後付の器具を一体化させるかという事のみに注力したこのニッチ。
そろそろインターホンも取り付けられる頃なので、今度行ったとき確認してきます。
図面上で家の間取りを見て、それが出来上がったとき体感的にはどれぐらいの広さなのか
イメージする感覚は、設計をしている者としてそれなりには持っているつもりです。
スケール感というやつですね。
広い狭いの話だけでなく、大きい/小さい、厚い/薄い、設計の作業ではそうした様々な
“サイズ”の中からベストだと思われるバランスを選択していく必要があります。
今回は『碧南の家』で、面積が畳1枚分サイズのパントリー(食品庫)を作りました。
1畳のパントリーは今まで何回も設計していて、広さ的には経験から十分実用可能だと
分かっていましたが、それらの入り口はすべて1畳の長手側。
対して今回は短手側に入り口があるため、奥に長い形状のパントリーとなります。
それが収納庫として使い勝手的にどうなのかという部分を少々懸念していたのですが・・・
そして出来上がった1畳のパントリー。全然いらぬ心配でした!
1畳というと、多くのトイレと似たような広さです。自宅のトイレで
「こっちから入る」「この辺の高さに棚が付く」「しゃがむとひざが当たるか・・・?」
などと、一人で怪しい行動を繰り返して棚の奥行きや取付け高さを検討した甲斐があり
しっかりと“使えるパントリー”になっていて安心しました。
パントリー入口になる開口上部のアール形状は、奥さんたっての希望。
僕はアールと直線が角度を成して取り合うのが絶対に嫌だったので、監督さんにも念押し。
曲線と直線がなだらかに繋がるこの形状は、狭い半径で下地のベニヤを曲げる必要があり
施工が難しいかなとも思いましたが、大工さん、きれいに仕上げてくれました。
これでパテ処理をして一度クロスを貼り、さらにその上から塗装をかけて仕上げます。
図面に書くのは簡単でも、それが実用に耐えるか、施工できるかというのは経験則。
これでまた自信を持って提案できる引き出しが少し増えました。