「思い出自体は、プライスレスでございます。
つきましてはその思い出を写真として残すために、別途40万円ほど頂きます(ニッコリ)」
フルサイズの一眼レフ、もちろん今すぐに手が届くような代物じゃありません。
ただいつかは必ず手に入れる。
そう公言しておかなければ「欲しい」のままで終わりそうなので、ここで宣言しておきます。
元々は設計した建物の竣工写真を撮るためだけに始めたカメラですが、気づけば周りの
一部の人たちのおかげ(せい)で、写真を撮ることそのものに興味を持っていました。
「いい写真だね」なんて言われると、例えお世辞だろうと嬉しくなってしまう訳です。
現在の愛機、SONYのNEX-7。初めての一眼です。(※一眼“レフ”ではありません)
これだって僕にとっては十分に良いカメラで、普段不満を感じる事など特にありません。
当然、言うまでも無くフルサイズ機の性能面での優位性というのはたくさんあるのですが、
写真を生業とするのでない以上、やはりフルサイズは贅沢品の部類に入るでしょう。
では何故・・・?
性能上の細かい話はさておき、つまるところ“夢”です。
写真の世界に興味を持った人にとって、フルサイズ機というのは一種の到達点なんですね。
そして、その夢のフルサイズで人を惹きつけられるような写真をたくさん撮ってみたい!
建物の竣工写真はこの先も今と変わらず自分で撮っていくつもりです。
そう考えると写真の質が上がることは設計事務所としてもプラスなんじゃないか・・・?
・・・ポジティブすぎるでしょうか(笑)
ここのところ、カメラは一生の趣味として続けられるなという予感があるので
まだまだ先の話ではありますがフルサイズ機への移行は真剣に考えています。
今日は『碧南の家』で定例の現場立ち会いでした。
現場には造作のいろんなスチール部材が次々と到着しています。
すでに取付けが終わっている洗面室の洗濯物干しには、太めの異形鉄筋を使用。
懸垂ができるほど強度がありますが、専用の懸垂バーは懸垂バーで別の場所に付きます。
傘掛けだと思ったけれど、そういえば洗面タオル掛けも同じつくり・・・これどっちだ・・・??
とにかくどっちかです!
インナーテラス用のスチール物干しも、あとは取付けを待つばかり。
インナーテラス天井の開口部には強化合わせガラスが取り付けられました。
既製品の天窓ではないので窓枠も無くスッキリ。大きなガラス面で空だけを切り取ります。
小さい方のお施主さんは地質調査で忙しそうです。
大きい方のお施主さん、お茶ありがとうございました^^
次回は更に進んだ状態の現場が楽しみですね!
『碧南の家』室内のプラスターボードが貼られる前の写真です。
頭が当たらないぐらいの高さに木材の切れ端を打ち、電気コードが掛けられていました。
例えばこの電気コード掛けは大工さんのひと手間ですが、こうした事は自分が作業を
再開しやすいようにというほか、もうひとつ大事な意味があります。
建築現場では、入れ替わり立ち替わり多くの業種が作業を進めていきます。
自分は作業がなくて現場に入らない日でも、他の業種は入るかもしれない。
お施主さんが現場に来ることだってあるかもしれない。
そんなとき、電気コードが床を這っていたら?刃が出た状態で工具が置かれていたら?
思わぬ事故につながってしまうかも知れません。
このぐるぐる巻かれた電気コードは、他者に対する気遣いの表れなんです。
12、3年ぶりにコンベックススケールを新調しました。
大学卒業後、最初の会社で現場監督をしていた頃に購入したものをずっと使っていましたが
ようやくプロ仕様に格上げです。以前のは完全に一般家庭用でしたからね・・・
たくさんある中から写真のこれを選んだのは、とにかくテープが頑丈だったこと。
本体を水平に持ってテープをどんどん伸ばして行くと、テープが途中でペキッと折れて
垂れ下がってしまう経験をしたことは無いでしょうか?
その点このコンベックスのテープ剛性は“当社比1.5倍”とのことで、水平に2メートル以上
伸ばしてもまだ余裕がありそうです。
もう一つはやはり見た目と持った感触ですね。
ちょうどいいおにぎりぐらいのサイズ感で持ちやすく、金メッキなどの過度な装飾が
施されていないのも好印象です。
そしてこの色合いや質感、佇まいから一眼レフのフルサイズ機に通ずるものを確かに
感じ取るあたり、カメラ欲しい病は相当重症なもよう。
出典:デジカメプラス
先行造成で、馬目地になるようコンクリートブロックが積まれた『一文字の家』。
“馬目地”(または破れ目地)というのは、ブロックを半分ずつずらして積む方法の事です。
これに対して縦横とも目地が通っているのは“芋目地”と呼ばれます。
何という事はない、土留めの役割をする単なるコンクリートブロックですが
今回は積み方に関して「馬目地で積んでください」と少しだけ口を挟ませてもらいました。
この家で使う一文字葺の外壁は、デザインのつくりとしては馬目地に近いものがあります。
そのイメージに対応させたという意識も多少働いてはいますが、建物の足元が単調に
なるのを避けたかった、動き・変化を付けたかったというのが、この積み方でお願いした
理由として大きなところです。
そこそこ距離もあります。
ブロック積の高さがある程度高い場合、馬目地にするとガチャガチャと少しうるさい印象に
なってしまうおそれもあり、スッキリ端正に見える芋目地が一般的です。
馬目地の高い塀で、全体として恰好良くまとまっているケースも見たことはあるので
そのあたりはデザインする人のセンスが問われる部分ではないでしょうか。
『碧南の家』には造作の天窓が付いた半屋外のウッドデッキスペースがあります。
設計において、内と外をどう繋げるかというのはいつも考えているテーマです。
と言うのも、一般的な木造住宅では1階の床面から外の地面までは60センチ近い段差があり
これに対して何の対策も取らない事が庭に出る機会を減少させているように思うからです。
“外に出る決意”とまで言うと大げさですが、「今から屋外へ出る」という能動的な意思を
持ったときに初めて、人が庭へ出るというのは僕が理想としている建築とは少々違います。
思わず外に出たくなるような仕掛け・・・というのもまた、言葉として少々違う気がします。
もっと自然に、外に出た感覚すら認識させないほどのイメージで屋内と屋外を繋ぎたい。
滅茶苦茶な事を言っているようですが、それで成り立っている建築が端的には理想です。
今回はそれに近づくためのひとつの手段として、半屋外空間を使っています。
完全に屋根のかかった半屋外のウッドデッキスペース。
庭以外の3方を壁(窓)で囲い、見上げると造作の大きな天窓があります。(ガラス取付け前)
内とも外とも付かない領域を挟むことで、「外に出る」という意識は随分と薄れるはず。
もちろん手法としてはこれがすべてではありませんが、有効な手段のひとつです。
碧南の家はLDKの目の前にとても広い庭があるため、その庭と室内をうまく繋ぐ役割を
この空間が果たしてくれる事を期待しています。
明日は『一文字の家』の地鎮祭。
ところがちょうど友人の結婚式と重なってしまい、残念ながら参加ができません。
そのことは以前からお施主さんに伝えてはいたものの、やはりなんだか申し訳ないので
夕暮れ時にひとりで現場に行って来ました。
地縄が張られ、テントも用意されて準備万端の現場です。
完全に日が落ちる前に何とか間に合って良かった・・・
一日早いですが、これから始まる工事の安全を祈願してきました。
『碧南の家』ナラ材を使った幅広の複合フローリングです。
いつもは完全な無垢のフローリング材を使うことが多いですが、今回は“複合フローリング”
という種類のものを使用しています。
床暖房を採用する『碧南の家』では、温度・湿度の変化による材の伸縮が極めて小さい
こちらの複合フローリングを選定しました。
表面の厚さ3ミリほどが無垢のナラ材となっているので、仕上がりは無垢フローリングと
何ら変わりません。
そして下の写真は床暖房パネルを入れるためのひと手間。
柱の中心付近で、床下地に段差が付いているのが見えると思います。
奥側が標準の床下地高さで、手前側(LDK)の床下地は基礎を含めてまるごと12ミリ
下げています。
床暖房パネルの厚さが12ミリなので、こうしておく事で仕上げは同じ高さにできます。
しかし150ミリ幅のフローリング材というのはやっぱりいいですね。
安価なものは幅75ミリ程度からありますが、幅広材は風格が全然違います。