『大平町の家』玄関の上り框(あがりがまち)。ホールの床板と同じアルダー材です。
出隅部分のアップ。
玄関の土間から靴を脱いで床に上がる段差部分。そこにある水平材を上り框といいます。
ここのつくりがどうなっているかによって、玄関の雰囲気を決定づけてしまうような
設計においてはすごく重要なポイントです。
イメージにあわせて厚くしたり薄くしたり、ときには木でなく石でつくる場合もあります。
今回は軽快さを出すため、写真のようにホールの端部分を出隅の形状としました。
框の下側全体に沿って間接照明を仕込むことで、ここから更に浮遊感UPをはかります。
昨日豊橋市役所に行ったついでに、少し先の精文館書店まで足を延ばしました。
いい雰囲気の表紙に惹かれて一冊購入してきたので、その本の紹介です。
ミミ・ザイガー著「MICRO GREEN かわいい隠れ家」。
書斎だけの小屋やベッドルームだけの小屋など、個性あふれる小さな建築が載っています。
日本の茶室がそうであるように、そこで暮らすことを前提とせず
どれかひとつの機能だけに特化した建物には人をワクワクさせる何かがあります。
子どもの頃に友だちと夢中になって作った秘密基地に通じるものがあるのかも知れません。
いずれ庭先に “大人が全力で考えた秘密基地” を作ってやろうと思っています。
CD-ROM
表示画面
建築確認申請を出す際、図書に都市計画基本図(白図)というものの添付が必要です。
縮尺が1/2500と大きくA3の紙に入る範囲は知れているため市全体を網羅するのは大変で、
申請の度に該当する場所の白図を市役所まで買いに行くことになるのです。
・・・今日までは!
今日たまたま行った豊橋市役所の窓口でこれを見つけ、即購入しました。
豊橋市全域の白図が一枚に入ったCD-ROMです。
2008年版なのでOSの対応はVISTAまでとなっていましたが、Windows7でも無事起動。
豊橋市のどんな場所の白図も一発で印刷できる、夢のようなアイテムです(笑)
一般の方には全然ピンと来ない話なのは重々承知しておりますが、
確認申請の業務を行っている人はこの感動を分かってくれるのではないでしょうか。
関連:道路名
ボードの継目やビスの頭をパテで埋めて、下地を平らにします。
一階は玄関まわりからクロスが貼られはじめました。
『大平町の家』では大工工事が終わり、内装工事に入っています。
今日は内部造作が完成したタイミングで施主のYさんと現場立ち会いがあり、
各部屋への光の入り具合などもついでに確認してきました。
太陽高度が低くなってきた今の季節、玄関の土間まで陽射しが届いています。
このためにリビングのドアをガラスにしたので、閉めても玄関は明るいまま。
狙い通りと内心ニヤニヤしながら帰ってきました。
落水荘の動画。滝の流れと水音で臨場感アップです。(※再生前に音量調節できます)
巨匠フランク・ロイド・ライト
学生を含め、建築に関わっていてその名を知らない人間は恐らく皆無でしょう。
彼が手がけた数多くの建築の中でも、最も広く知られているであろう
『落水荘』(英語表記:Falling Water)は大好きな建築のひとつ。
施主であるカウフマン氏へのプレゼン前日になってもなぜかライトは図面に取りかからず、
なんと当日の午前中に猛然と机に向かい、平面プランを完成させたという逸話があります。
頭の中でインスピレーションが形になるのを待っていたのか・・・興味深いエピソードですね。
素材使い・スケール感、真似してできるとも思えませんが学ぶべきところは非常に多く、
いつかピッツバーグまで実際に行くことができれば本物に触れてみたいものです。
現在打合せ進行中の物件で、今日は室内の仕様決めでした。
黒に近い茶色の床に白い漆喰の壁。
メインの内装はこの2色をベースとして品のいい和モダンの空間に仕上げていきます。
見た目スッキリのメーターボックス
“あえて”仕上げをしないで荒々しい素材感をそのまま楽しむとか、
“あえて”配管類を隠さないで武骨な雰囲気を演出するといったことは
設計上の手法としてよく用いられるやりかたです。
それを加味したとしても、やはり電気メーターはちょっと“あえない”方がいいと思いますので
特に家の正面に付く場合などはなるべくシンプルなデザインのボックスにしたいところです。
プチプチに包まれて出番を待つキッチン。
対面式の広いキッチンカウンター。自然石を貼って仕上げます。
『大平町の家』はキッチン取付けまで終わっています。
このキッチンを決めるに当たっては少々ドタバタがありまして・・・
今年2月、記録的な大雪の影響でキッチンメーカー各社の工場が軒並み生産不能となり
一時は商品入荷の目処が立たないという事態にまで発展しました。
できる、できない、情報が錯綜するなかであおりを受けたのはこの物件も例外ではなく、
一旦決まっていたキッチンをもう一度別メーカーで選びなおしてもらうという
とんだご迷惑をお施主さまにお掛けすることとなってしまいました。
そんなことを思い出しながら無事取付けが完了したキッチンを見ていると
感慨もまたひとしおです。