今までわが家では床座の生活でしたが、先日小さなダイニングテーブルを購入しました。
幅広の板を数枚並べたつくりで、新品なのにわざとジャンク品のようなラフな風合い。
板同士に隙間もあるし、切った際のノコ目も付いたままです。
以前は何でももっとキッチリした作りのものが好みだったのに、最近は多分まわりの
影響もあってこんな素朴な感じも好きになってきました。
きっと肩肘張らず気楽に付き合える雰囲気の方が性格に合ってるんですね。
建築は相変わらず、窓なら床から天井まで!壁から壁まで!ピッタリ隙間なく!が好きですが
そうした中にもラフな素材で一息付ける“外し”をうまく入れていけたら自分なりの方向性も
今よりはっきりしてくるのかなと思います。
それはそうと、このテーブルはモノ撮りをするときの台にもちょうど良さそうなので
さっそく得意のイームズハウスバードを持ってきて撮ってみました。
うん、やはり。
これから多用していきたいと思います。
関連記事:イームズハウスバード
『碧南の家』では羊毛(ウール)断熱材を使用しています。
羊毛なので、文字通りヒツジから刈った毛を断熱材として壁に充填するものです。
柱と柱の間に施工されはじめた羊毛断熱材。
防音に関してはセルロースの方が優れているものの、本来の目的である断熱性能では
セルロースとほぼ同等です。難燃性のため、燃えやすいのではという心配も無用。
搬入時はこのように袋詰めされてやって来ます。
住宅で使用される断熱材には様々な種類がありますが、中でも多いのはグラスウールです。
細いガラス繊維を綿のようにして空気層を作る構造はまさにガラスの羊毛(ウール)。
ただし構造は似ていても素材としての特性はまったく違うので、それぞれに適した
施工方法を選択することが肝要です。
家全体で呼吸するような、一貫して“通気”に重点を置いた作りの家には羊毛やセルロース
などの自然素材が向いていて、グラスウールや発泡ウレタンなどの断熱材は“高気密”
に重点を置いた作りの家に使用するのが良いかと思います。
『碧南の家』バルコニーで、向かい合って火花を散らすダイライトとハイベストウッド。
どちらも地震力や風圧力などに抵抗する構造用面材です。
向かって右が、普段よく使用しているダイライト
左はハイベストウッド
壁倍率も同じ2.5倍、大きな違いは無いかに思われる両者ですが、今回なぜこんな
張り分けをしているかというとバルコニーが関係しています。
構造用面材というのは基本、その強度を構造計算に含めるためには2階の外壁に張った
1枚の面材を、そのまま2階の床レベルよりも下まで張り延ばします。
ところがバルコニーがあると、その床が邪魔をして下に張り延ばすことができません。
こうした“床勝ち”の構造の場合でも構造用面材としての施工が認められているのが
ハイベストウッドなのです。
だったらわざわざ張り分けなくても、今回は全部ハイベストウッドで良かったんじゃない?
というのは、あとでちょっと思いました。
少し日にちが経ってしまいましたが、この前の日曜に『碧南の家』へ行って来ました。
施主のNさんにも足を運んでもらい、現場で電気配線の再確認です。
ひとまず電気図通りに配線されたコードが天井から下がっています。
写真だとスケール感が分かりにくいですが、掃出し窓の高さは全部2.4メートル。
照明器具の位置の他、コンセントやスイッチの高さなど実際にその場に立ってみた感覚で
使い勝手を確かめていきます。
リビングに付ける照明器具の仕様について少し思い違いがあり、図面を微修正しました。
今はほとんど構造むき出し状態の内部も、これから断熱材が入り、ボードが張られ、
だんだん家らしく変貌していきます。
Nさん、暑い中ありがとうございました。
そしてアイスとお茶ごちそうさまでした^^
本日は『一文字の家』解体の義が執り行われました。
これから解体工事に入る家に対し、今までの感謝と、別れをする日。
自分の生まれ育った家でなくたって、どうしても感傷的な気分になります。
現場に着いてすぐ、傍らにこんなものが置かれているのを見つけました。
もしバリ島に行かれたことがあるのなら、街中のいたるところでこれに似たものを
目にした記憶があると思います。
それは“チャナン”とよばれる神々へのお供え物。
万物に神が宿るとされる教えにのっとり、花や米などを女性たちが供えます。
以前行ったバリ旅行で、その風景は特に印象に残っていたので、今日これを見たときも
お施主さんがそうした風習を知っていて、少し華やかなお供えの意味合いでひっそりと
置いたものかと思いました。
ところが・・・
黙々とこれを作っては置いていたのはご夫婦の幼いお子さんでした。
異国の風習など知る由も無く、近くにある花や葉を集めて遊んでいただけなんですね。
しかし奇しくもそこは敷地の角。お清めをする対象となる場所です。
今日その場所にこんな可愛らしいお供えをしてくれたことは、もうすぐ解体の時を迎える
この家にとっても、きっと嬉しい事だったのではないでしょうか。
Worksのトップにある住宅の設計実例写真(キャプチャー画像)を一部差し替えました。
また、“岡崎市” “中庭” “和モダン” “スキップフロア” などのタグを付けることで
それに関連する家が選びやすくなったと思います。
まあ、そもそも物件数自体がまだそれほど多くないのですが・・・
↓画像をクリックすると Works のページへ行きます。
ページを訪れたユーザーが、実例集の一覧からどの家を見てみようかと検討するにあたって
まず手がかりになるのは外観だと思います。
部分を切り取ったこだわりの一枚よりも、外観が一覧で並んでいた方が絶対に選びやすい。
そのこと自体はホームページ立上げ当初から重々承知していました。
問題は“設計者が見せたい写真と、ユーザーが見て分かりやすい写真は違う”という事です。
これには随分葛藤があり、結果自己満足で比較しにくいページになっていた気がします。
特に何かきっかけがあった訳ではないですが、ふと、今朝改めてそんなことを思ったので
さっそくプチ改革に取り組んだ次第です。
色味が減って温かみが少し無くなっちゃったかな?という気がしないでもないですが
見やすくはなったのではないでしょうか。
余談ですが、並べてみて初めて外観写真を似たような構図で撮っている事に気づきました。
まったく無意識だったので、これは多分僕の癖ですね。
軒数も多くないことですし、この機会に簡単にそれぞれの物件の外観と内部を並べて
一軒ずつ紹介したいと思います。
1.六名の家:岡崎市/新築/木造2階建て
まず外観。白い吹付塗装が青空に映えるシンプル路線です。
準防火地域にありながらなるべく防火サッシとしなくて済むよう、平面形状を工夫しました。
内部はかなり和モダンを意識しています。
シンボルとなる、竹を使った特注の照明シェード越しに見る室内と緑のきれいな庭。
自分としては、根幹にあるこの家のコンセプトを表す写真は外観よりもこちら。
玄関・LDK・寝室・トイレなどで間接照明を多用しました。
2.友達の家:中津川市/築60年フルリノベーション/木造2階建て
この外観写真は元々この家のキャプチャー画像として使っていたものです。
地域柄もあり、木の縦格子をふんだんに使った落ち着いたファサードとしました。
町屋風の外観ですが、中は意外とスッキリ。外と中で一番ギャップがある家です。
ダイニングのペンダントライトはVITA SILVIA。奥にはイームズハウスバード。
3.大平町の家:岡崎市/新築/木造2階建て
防音・プライバシーに配慮し、広い通りに面した北側には一切窓がありません。
パッと見は平らな屋根に見えますが、奥の方へ向かって緩い傾斜を付けた勾配屋根です。
内部はウッドデッキ敷の中庭を囲んだロの字型をしています。初の完全中庭型住宅。
中庭に面して天井まで届く大型の掃出し窓を付け、家の奥まで光が届くようにしました。
中庭は目の届く安全な範囲でお子さんのプール遊びなどが出来て安心です。
4.高丘の家:浜松市/新築/二世帯/木造2階建て
ロの字型ではありませんが、こちらも中庭のあるコートハウスです。
白い外壁にアクセントとして一部天然石を張り、夜間はライトアップで陰影を出します。
中庭部分は4匹の犬たちが走り回るため、植栽を中心としたドッグランを設けました。
撮影時は植栽もまだで、天候も良くなかったため機会があれば再トライしたいところ。
珍しくラグジュアリー路線の内部。これは横並び型のダイニングキッチンです。
ご家族、ご友人が集まれるよう造作のダイニングテーブルは長さ2.6メートル、9人掛け。
ハイサイドライトのあるPCコーナー正面の壁は、全面マグネットがくっつく仕様です。
5.落合の家:中津川市/築60年フルリノベーション/木造2階建て
外壁を張り替えた以外、外観にはほぼ手を加えていないので外観写真はありません。
ですのでキャプチャー画像はリビングの一角を写した写真を使用していますが
これこそまさに上で述べた自己満足写真の最たるもの(笑)
この部分だけ見ても何だか分からないですよね?
外観写真も無い事ですし、画として気に入ってはいるので、これだけはこのまま使用します。
外回りは手を入れていない分、中は跡形もなく間取りを変えました。
全く日の当たらなかったLDKを裏庭に向けて配置し、木々や小川を眺めながらの食事
ができる位置にダイニングテーブルを。現在はウッドデッキも併設されました。
6.藤枝の家:藤枝市/新築/木造2階建て
外観はマットシルバー、マットブラック2色のガルバリウム鋼板仕上げ。
色とともに、張り方もそれぞれ縦張りと幅広の横張りで変えています。
内部も方向性としてはモダン路線です。
リビングはダイニングキッチンよりもステップ2段分床を下げ、地窓から見える庭の緑が
より近く感じられるよう配慮しました。床を下げた最大の理由です。
さて、これで全部です。
現在複数の物件が同時に進行中ですが、完成まではしばらくかかるので
今年載せられるのはせいぜいあと1、2軒かな?
急がず、焦らず、地道に、軒数を増やしていけたらと思います。
来月着工“いちもんじのいえ”です。
打合せ中からの、この家関連のブログ記事を『一文字の家』としてカテゴリー追加しました。
いつもは大まかな地名を入れて『〇〇の家』と付けていますが、今回その名付け方では
Worksにも載せている過去物件と名前がまるかぶりになってしまうため、この家の外観上
いちばん特徴的な部分をもってこの名前にしました。
お察しのとおり、大部分に一文字葺の外壁を使います。非常に楽しみ!
本日工事請負契約が無事終了、あとは確認申請を出して6月末に基礎工事開始です。
Nさん、今後ともよろしくお願いいたします^^
関連記事:スケッチアップで建築パース作成
中津川から両親が遊びに来たので、一緒に岡崎公園へ行って来ました。
手水舎に伏せて置かれた柄杓。
そろそろ暑い季節、お清めの冷たい水も心地よく感じられます。
木陰にあった蹲(つくばい)。手水鉢にひろがる水紋が涼しげです。
父、撮る瞬間に横からひょこっと出てくるのやめてもらっていいかな。
湿った日陰に自生していることの多いシダの一種、ノキシノブですが
明るい太陽の下で見ると生き生きとして少しイメージが変わりますね。
園内の石畳を歩く両親の後ろ姿。
これからも元気でいてもらいたいものです。