お正月なので縁起物の木の話を。
少し前に帰省した際、実家に植えられているナンテンの木を撮って来ました。
“難”を“転”ずるとされ、門松や正月飾りには欠かせません。
英語名は“Heavenly bamboo”。縁起の良さは西洋でも同じなようです。
裏庭にあるナンテン。普通の赤い実がなる種類で、よくヒヨドリがついばんでいます。
常緑樹のはずですが、ウチのは葉が落ちていますね・・・
陽のよく当たる場所に植えておくと、冬場は葉が紅く紅葉します。
家の正面付近に植えられたシロナンテン。
こちらはほぼ一日中日影になるような位置ですが、耐陰性がある植物なので元気です。
シロナンテンは日向に植えておいても葉が紅葉することはありません。
このシロナンテンが植えられた方角は敷地の北東、つまり鬼門に当たります。
風水的にナンテンを鬼門に植えると良いというのは昔から云われていますが
特に白は穢れを浄化する色なのでより良いとされています。
僕自身は風水や家相にこだわりは特に無いものの、仕事柄、こういった種の事柄を
避けては通れない時が数多くあります。以前書いた神棚や仏壇の上に2階の部屋が
乗ってしまう場合の対処法などもそうですが、「こうすれば家相の悪い部分を改善できる」
という引き出しはたくさん持っておきたいです。
岡崎市の工務店さんの入り口に置いてあった大きめの鉢植え。
ここの工務店さんはなぜかやたらと植物に詳しい方が多く、見慣れないこの樹の名前を訊くと
“ティーツリー(Tea tree)”という種類の樹なのだそうです。
そういえば“ティーツリーオイル”とか“ティーツリーシャンプー”なんて言葉の響きは
どこかで聞いたことがあるような気がしますね。
また葉の色がとてもきれいで、裏側がオリーブの葉にも似たシルバーグリーン。
すごく好みの色合いで、これはぜひ我が家にも欲しいところですが置き場所が・・・
とりあえず現状は我慢です。
ついでなので少し調べましたら、上記のティーツリーオイルには高い殺菌作用が
あるため、風邪や湿疹などをはじめ多くの疾患に対して優れた効能があるようです。
その中にはなんと花粉症も。
その方法がティーツリーオイルを数滴たらしたアロマポットで寝室にアロマを焚き、
そこで眠るというなんともオシャレな花粉症対策。
夜間の花粉症対策として鼻にティッシュ詰めてる身としては、ぜひともこの方法に
移行させていただきたい所存です。
梅雨時の風物詩、アジサイが咲いていました。
一応撮って来ましたが、この写真には決定的に足らない物が・・・“雨”と“カタツムリ”。
僕のイメージでは、アジサイはこれらが全部そろってようやく完成です。
アジサイの花のように見える部分は萼(ガク)といって、花びらではありません。
また青い萼の樹、赤い萼の樹と決まっているのではなく、植わっている土壌の
酸性度により、同じ樹でも色が変化するという変わった特性があります。
これはずいぶん昔に何かの推理小説で読んで知りました。
確か、前の年は赤かったはずのアジサイが翌年は青に変わっていたことが
事件解決の糸口として描かれていた話だったように記憶しています。
土壌が酸性だと青、アルカリ性だと赤い萼になるようです。
下の写真は“ガクアジサイ”。
最初咲き掛けのつぼみかと思ったのですが、どうやらこれで完成形。
アジサイの原種です。
これはこれで気に入りました。
この樹について書くにはタイミングを逸した感が否めませんが・・・
花粉症の天敵、“スギ”です。
そんなスギも一旦製材されてしまえば、優秀な建築材料。
柱などの構造材・造作材・フローリング・外壁まで、ヒノキとならんで国内の木造住宅で
非常に多く使用されている木材です。
特にフローリング材としては肌触りがやわらかく素足でも冷たくないという特徴があり、
寝転がりたくなるような気持ちよさを持っています。
金額的にもおそらく無垢フローリングの中で一番安価なのではないでしょうか。
ただ、よほど厳選された高級品は別として一般的には節が多く入り、
乾燥収縮が大きい、キズが付きやすいといった側面も同時に持ち合わせています。
「やわらかい・あたたかい=内部の空洞が多い・収縮しやすい」なので
仕方ない部分ではあるのですけどね。
とにかくキズはものすごく付きますので、できることなら使用される際は事前に
現物で確認をし、それに納得しておかれることをおすすめします。
個人的にはメインのLDKというよりは、ひなたぼっこができる和室の縁側などで
使いたい材料です。
恐怖画像。「花粉飛ばすぜー」って顔してます。
関連:木の話~ヒマラヤ杉~
5月に地元中津川に帰省した際、道端で見かけた野生のフジです。
木というよりは花のイメージが強い植物。昔よく小学校の藤棚に登って遊んだものです。
薄紫色の花弁がきれいですね。同じマメ科で、姿かたちが良く似たヤマフジという
植物もあり、花の形が少し違うのですが実はもっと簡単な見分け方があります。
蔓の巻き方が、フジは上から見て時計回り、ヤマフジは反時計回りになっていて、
この法則は絶対なのだそうです。
あらためてこの樹の蔓がどうなっているか見てみると・・・
上から見たとき時計回り(右巻き)なので、これは間違いなくフジです。
人生のなかでフジかヤマフジかの判別を迫られる機会はおそらく無いでしょうが、
ちょっとした植物マメ知識です。
日本の春に欠かせないサクラ。一口にサクラと言っても種類は様々です。
まずは先日行った忍野八海で撮ったソメイヨシノ。
サクラと言えばこの種を指すほど、一般的に広く親しまれています。
次は、こちらも忍野八海ですが真っ白いサクラの花が咲いていました。
川向うに見えるソメイヨシノと色の違いが分かるでしょうか。純白のサクラです。
最初何の樹か分からず、近くで花や葉の形を見てようやくサクラだと気づきました。
調べたら白妙、琴平、緑萼桜、太白など、白い花の咲く品種はいくつかあるようです。
ヤエザクラ。幾重にも重なった花びらを持つサクラの品種をまとめてこう呼びます。
浜名湖畔で撮った下の写真は多分“カンザン”という品種ではないかと思います。
ソメイヨシノなどと比べると花の色が濃く、咲く時期も少し遅め。
そういえば岡崎公園でも他のサクラが散り始めるなか、ヤエザクラだけ満開でした。
花をクローズアップしてみると、かなりボリュームのある形をしています。
現在日本にあるサクラの品種は約300種類、ここに挙げた品種の実に100倍です。
とても全部は網羅しきれませんね・・・。
目で見ても楽しめるサクラは、建築ではフローリング材として使用されます。
文字通り淡い桜色をした木肌で、全体的には木目はあまり目立ちませんが
場所によってははっきりとした年輪が見て取れる部分もあります。
無垢フローリングとして“カバザクラ”というものが割と安く流通していますが、
これはサクラとは全く別物。
カバノキが見た目サクラに似ているのでこのような材名が付いています。
触り心地がやわらかくてこちらもいい木ですけどね。
いままでもカバザクラは結構使った記憶があります。
目で楽しめる方のサクラはまた来年です。
雨上がりに撮った“シラカシ”の写真。
非常に堅い木なのでクワやノコギリの柄などに使われます。
動植物の名称は、地域によって矛盾するような別名が付けられていることがあります。
このシラカシもそんな植物のひとつ。別名を“クロガシ”といいます。
製材した木肌は白く、樹皮は黒いためこのように呼ばれていますが、これはおそらく
名付けをした人が自分のもっとも身近な状態の姿を見て名付けた結果だろうと思います。
大工さんや家具屋さんからしたら“白い木”でしょうし、林業の方にとっては“黒い樹”
といった認識になるでしょう。
別名を付けるにしても真逆の呼び名というのは面白いですね。
写真のシラカシの足元にある白い花はユキヤナギ。
今の季節、岡崎中央総合公園前の道路沿いはこの花に覆われています。
ユキヤナギのアップ。
・白い花のコブシ
コブシの白い花が咲いていました。
モクレン科の落葉樹です。
春に咲く花のなかでもいち早く咲き始めるコブシ。
だいたい写真の樹ぐらいのサイズを民家の庭先でも見かけますが
本来は高さ20メートル近くに成長する結構な大木です。
特徴的なでこぼことした幹の表情を楽しむため、
建築では樹皮が付いたままの幹が床柱や茶室の柱に利用されることがあります。
・赤い花のモクレン
下は実家の庭にあるモクレンです。
昔、かなり長い間この樹をコブシだと思い込んでいました。
科が同じだけあって樹形や花の形は良く似ていますが色が明らかに違いますね。
白い花を咲かせるのが “コブシ” 、赤い花を咲かせるのが “モクレン” です。