木造で建築物を建てるとき、一部の特殊な工法を除いては耐力壁という
地震・風圧などの水平力に抵抗するための壁が必要になります。
通常は“筋交い”という、木でできた斜め材を壁内に取り付けて耐力壁とし、
その両面には仕上げ材を貼って仕上げます。
壁を作るわけなので、当然ながらこれだと外を見ることはできなくなります。
通常の木製筋交いを使った耐力壁。斜め材がタスキ掛けに入っているのがそれです。
今回使用したのはブレース筋交いといって、木の代わりに細い鋼材を用いた筋交い。
木の場合と抵抗のメカニズムはやや異なるのですが、“耐力壁”というくくりは同じです。
この壁の外側に窓を付けてやると、普通は壁になってしまう部分がガラスになるので
より大きな開口をとることが可能になります。
窓を開けたところ。閉めるとブレースの向こうにガラスが来ます。
完成写真はWorksの『六名の家』に載せていますが、この部分が壁なのかガラスなのかで
かなり空間の印象が変わると思いませんか?
取付け部分アップ。
お気づきかもしれませんが、これは別に木製の筋交いであってもできます。
ただガラス面の手前に来る障害物はできる限り存在感を出したくないので
このようなブレース筋交いでスッキリ見せたいところです。