『碧南の家』には造作の天窓が付いた半屋外のウッドデッキスペースがあります。
設計において、内と外をどう繋げるかというのはいつも考えているテーマです。
と言うのも、一般的な木造住宅では1階の床面から外の地面までは60センチ近い段差があり
これに対して何の対策も取らない事が庭に出る機会を減少させているように思うからです。
“外に出る決意”とまで言うと大げさですが、「今から屋外へ出る」という能動的な意思を
持ったときに初めて、人が庭へ出るというのは僕が理想としている建築とは少々違います。
思わず外に出たくなるような仕掛け・・・というのもまた、言葉として少々違う気がします。
もっと自然に、外に出た感覚すら認識させないほどのイメージで屋内と屋外を繋ぎたい。
滅茶苦茶な事を言っているようですが、それで成り立っている建築が端的には理想です。
今回はそれに近づくためのひとつの手段として、半屋外空間を使っています。
完全に屋根のかかった半屋外のウッドデッキスペース。
庭以外の3方を壁(窓)で囲い、見上げると造作の大きな天窓があります。(ガラス取付け前)
内とも外とも付かない領域を挟むことで、「外に出る」という意識は随分と薄れるはず。
もちろん手法としてはこれがすべてではありませんが、有効な手段のひとつです。
碧南の家はLDKの目の前にとても広い庭があるため、その庭と室内をうまく繋ぐ役割を
この空間が果たしてくれる事を期待しています。