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光を拡散する乳白色

「窓をスリガラスにすると、室内が暗く感じますか?」
これは打合せ中、よく受ける質問のひとつです。

あくまで僕の主観ですが、答えは「NO」です。
理由はあとで述べますが、むしろ透明より明るいのではと感じるケースもあるぐらいです。
外からの視線は遮りながら窓を設けたい場合、スリガラスも十分効果を発揮しますが
より外から見えにくく、オススメなのが “透明ガラス+乳白色フィルム” の組み合わせ。

洗面室の東面にある窓を上記の組み合わせで施工した例(『碧南の家』)
これはFIX窓で明かり採り専門。通風は別の場所からとっています。
スリガラス 乳白色フィルムを貼った窓の写真
天井まで届く大きな窓で、たくさんの光が入る明るい洗面室。
窓枠と、十字型に入る桟はタモ材で造作して温かみをプラス。
実際に現場で見てみて、自画自賛ですがこの窓はすごく良かったと思います。
スリガラス 乳白色フィルムを貼った窓の写真
天空光を受け、乳白色のガラス面全体が白く発光しているような状態になっています。
これこそが、人間の目が“より明るい”と錯覚する要因では?
同じワット数でも、クリア電球より乳白色電球の方が明るく感じるのと同じ理屈です。

点光源だったものが面光源に。

“窓”という面全体がフィルムを通して均一な光を拡散することで、やわらかな光で
満たされた落ち着きのある室内環境を作り出せます。

洗面室など、ともすれば明るさや快適性をはなから捨てて考えてしまいがちな場所でも
気持ちの良い空間にすることを望むのであれば、それは諦めるべきではありません。
水まわりの窓は小さくしなければいけない法など無いのですから。

Nさん、これは家の東面に陽が当たっていない時間帯の写真ですが、
朝日を浴びながらの身支度はもっと気持ちがいいでしょうね^^


2016.08.01 | Category 碧南の家, 建築