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間接照明の種類~建築化照明~

・間接照明とは
僕は設計をするとき、割とよく間接照明を取り入れます。
間接照明とは光源が見えないように隠し、間接光だけが漏れてくる照明手法のことです。
照明器具自体がすでにその形状に作られている後付けタイプの物も市販されていますが、
ここでは建築化照明(建物本体の壁や天井にくぼみを作って器具を隠す間接照明の手法の事)
について書いていきます。

・建築で作る間接照明の意義
間接照明(建築化照明)の効果はと聞かれてまず思いつくのは
やさしい光で空間を演出できるということではないでしょうか。
落ち着いた雰囲気の飲食店などでも使われているのは大抵間接照明です。
しかし自分自身は、これはあくまで本当の目的の副次的な効果に過ぎないと考えています。
例えば天井の縁に沿って端から端まで間接照明を入れた場合、
人は無意識にその先に空間がつながっているイメージを感じ取ります。
天井と壁が交わって終わりではなく、そこに隙間があって光が射している。
限られた空間での閉塞感を軽減するうえで、この効果は想像以上なのです。
そしてこの“広がりを感じさせる効果”こそが、僕が考える間接照明の最大の意義です。

誤解の無いように書いておきますが、先述したような“雰囲気づくりのための間接照明”
を決して否定している訳ではありません。
自分でもそうした目的で間接照明を用いることは多々あります。
ただ設計者自身が、それが何を目的とした間接照明なのかという事ははっきりと
自覚しておく必要があるのではないかと思っています。

・間接照明の施工例
1.玄関ホールの縁、上り框の下に沿って間接照明を入れた例
暗めの配色の土間から浮いているような、軽快さを出すために取り入れました。
間接照明を玄関の上り框下に付けた写真
2.天井の縁の部分を掘り込んで間接照明とした例
天井から落ちた光が壁面を照らすこの手法は“コーニス照明”と呼ばれています。
天井の間接照明
3.洗面室の上部に棚状の間接照明を作った例
こちらは入り江のような形状になっていることから“コーブ照明”と名前がついています。
ミラー(貼付け前ですが)下の照明は、モザイクタイルをよりきれいに見せるため。
洗面室の間接照明とモザイクタイル
単なる照明装置としての役割だけでなく、人の無意識下にも働きかける間接照明。
その空間をどんなふうに見せたいのか、何に主眼を置くのかによって
もっとも適した方法を選択していきたいですね。

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2015.02.11 | Category 建築