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太陽光発電に対し思う事

今日は太陽光発電に関して講義を受けてきました。
設計事務所としてもこうした時代の動きは把握しておかなければなりません。

近頃は家電製品や車などと同じように、家に対しても“性能”を求める動きが
加速度的に広がっています。
ある程度成熟した市場において量から質へとニーズがシフトするのは当然の事ですし、
現在エネルギー問題の議論が活発化している日本においてこういった動きは
歓迎すべきことなのかもしれません。
しかし建築設計に携わる者として、諸手を挙げて賛成、とも言えない複雑な思いが
あるのもまた事実です。

例えば屋根に設置する太陽光発電パネルに関して言えば、無理なく発電効率を優先する場合
屋根形状は「南向きで急勾配の片流れ屋根」が最適です。
新築で最初から発電パネルを載せる前提で、ましてや売電を目的とするのであれば
当然発電効率が最も良い屋根形状を選択したくなりますよね?
発電パネルの品質向上、また電力会社による電力買い取り制度などの後押しもあり
太陽光発電を検討する人が増えている今、これから建てられる家がこぞって
「南向きで急勾配の片流れ屋根」の外観を採用することも考えられます。
そして敷地の余白には芝生でも植栽でも花壇でもなく、地置きの発電パネル。
各家庭がそうなる“可能性”があるのです。

エネルギーの観点から見ればこれは喜ばしい事。だからこそ“個性ある魅力的な街並み”と
天秤にかけたとき、特にわれわれの立場ではジレンマに陥るのです。
家というものの概念が“製品”に近い性格のものになってしまうのではないか、
これからの日本の建築文化を育む土壌として、それは相応しいのか・・・
まだ答えは見出せそうにありませんが、しばらく悩みます。


2015.02.16 | Category 建築