時々見かける板塀のつくり方で、“大和張り(やまとばり)”という手法があります。
支柱を挟んだ表裏に隙間を空けて板を互い違いに張り、視線は遮りながら通風は確保する
目的で用いられるもので、通常は板が縦になるよう張られます。
正面からはソリッドな木の壁に見えるため、格子よりも面としての重厚感を出したいときに
使ってみようと前々から考えていました。
今回計画中の物件で大和張りの板塀を作ることになりましたが、場所が洗面脱衣室のすぐ横。
隙間から反対側が見えてしまってはいけないので、材料のサイズを検討中です。
原寸大のモックアップ・・・と呼ぶには、あまりにあまりな物体。
A4コピー用紙の裏紙を使って大和張りの形状になるよう工作しました。
このモックアップでは、4.5センチ角の支柱を挟んで両側に、幅9センチ・厚さ1.5センチの
板を取り付けました。板同士の隙間は3センチ。
隙間の向こうにはちょうど裏面の板が来るよう、表と裏で取付け高さをずらしてあります。
板を本来の縦張りではなく横に張るので、これは“横大和張り”ですね。
正面から見る分には問題なさそうですが、角度によっては・・・見えるなぁ・・・
もう少し各部材の寸法や隙間の幅を検討する必要がありそうです。
『碧南の家』の、現場にあった“かけや”という巨大な木槌のようなものです。
建築工事中で、これが一番活躍するのは建て方のとき。
例えば下の写真は階段部分からの見上げですが、こうした架構を組んでいく際に
かけやを使って材料を上から叩き、組み立てを行います。
建て方の日、木を打ち付ける乾いた大きな音が響いているのはこれを使っている音です。
かけやを担いで梁の上を歩く大工さんの姿は絵になりますね。
昨日三重県まで海を見に行ったついでに『海の博物館』に立ち寄りました。
20年ほど前に家族旅行で一度来たことがあり、訪れるのはそれ以来です。
ここは海辺に生きる人々の生活に焦点を当てた博物館です。設計は内藤 廣さん。
様々な記録や、木船その他の漁具などが木造の広い内部空間に収められているのですが
僕はどうしても展示物そのものより建物本体の方に興味が・・・
たっぷり横幅のある平屋建てに、いぶし瓦で葺いた軒の深い屋根。
個人的には和風の建物が一番格好よく見えるプロポーションがこれだと思います。
こんなふうに高低差のあるランドスケープだと更に引き立ちますね。
予定には入っていない思い付きの寄り道だったので、滞在時間はわずかでしたが
少年時代とはまた違った視点で見られてよかったです。
雲一つない晴天のGW最終日。3日前、天気がすぐれず遠出を延期した甲斐がありました。
行き先をいろいろ考え、景色が好きな三重県方面へ。
鳥羽水族館の少し先、パールロードの途中から太平洋を眺めた写真です。
このあたりはまだ浅瀬になっているため、海がきれいなエメラルド色!
三河湾と比べ、外洋に面しているとこうも違うのかと思うぐらい海の色が鮮やかです。
パールロードをもう少し進むと、高台にある鳥羽展望台にたどり着きます。
このあたりになると海も深くなり、色もエメラルドから紺碧に変わります。
普段はなかなか見られない一面の水平線。
GW最終日にいい気分転換ができました。
『碧南の家』のリビング天井は化粧垂木です。
ツーバイフォー工法で使われる、ツーバイテンという規格の木材を流用しています。
高さ6センチとか7.5センチといったサイズが多い垂木ですが、ここのは高さ23.5センチ。
断熱材を入れるため、その上に更にもう一段垂木を重ねて二重垂木としています。
初期段階では構造体として考えていた化粧垂木も、構造計算をすると上に重ねた方の
垂木だけで水平剛性が確保できることが判明したため、どうやるか頭を悩ませていた
作業手順は少しやりやすい方に行ってくれました。
垂木の間に見えている合板(野地板といいます)は化粧ではなく、このあと天井を組んで
白いクロスで仕上げますが、これをあらわしの化粧野地としてもすごく格好いいんです!
でも白なら白でとてもスッキリ見えるので、この家にはその方が合いそうですね^^
GWということで少し遠出をしようと思っていましたが、天気予報は荒れ模様。
遠出は日にちをずらすことにして、岡崎の少し山の方へプチドライブしてきました。
途中たまたま見かけた楼門。一眼持って来れば良かった・・・
近くの大木にはシダが活着していました。
傍らには小川が流れています。
ここから少し上流に行くと、川をまたぐように架け渡された無数の鯉のぼりが。
車を停めるところが無く写真は撮れませんでした。
5月の足助で見られるのと同じ風景、こんな身近でやっているところもあるんですね。
遠出は延期になってしまいましたが、近くでいい場所を見つけられて思わぬ収穫でした。
明日も天気はくずれるようなので、明後日に期待です。
一般に広く用いられている建築の工法は、大きく分けると3種類。
RC(鉄筋コンクリート)造、S(鉄骨)造、そして木造です。
ひとつの建物の中にこれらの工法が混在することは、認められてはいるのですが
それなりの構造計算をして安全を確かめることが義務付けられています。
建築中の『碧南の家』にあるスチールの柱。仮留めの状態です。
木造建物に鉄の柱が立っていますが、そもそもこの柱には応力を負担させていないため
これは木造と鉄骨造の混構造とはなりません。
よって混構造の構造計算も不要。通常の木造の構造計算のみをおこなっています。
あとは接合部の接合方法によっても混構造か否かの判断が変わってきます。
今は柱があるだけですが、現場が進むと、この柱へさらに別のスチール部材を溶接して
あれやこれやといろいろな用途で活躍してくれる場になる予定です。
これでは何の事やら分かりませんね・・・説明可能な状態になるまでしばしお待ちください。