蒸し暑く、ときおり遠雷も聞こえる今日8月2日(大安)、『一文字の家』は上棟を迎えました。
お施主さんにとって、ずっと紙の上で想像することしかできなかった我が家が
ついに立体となって現実に現れる特別な日です。
Nさんおめでとうございます!
また平日にもかかわらずご予定を合わせて頂き、ありがとうございました。
即席の祭壇に用意された米と塩を家の四隅にまき、工事の無事を祈ります。
完全な2層分の吹抜け。この部分は南に面して全面大きな窓が付けられます。
ところで、これまで Works に掲載した物件の中には、2層分の吹抜けがある家は
一軒も無かったんですね。
吹抜けは事務所スタッフ時代から数多く設計してきたイメージが強いので
今更ながらその事に気が付き、自分でも意外でした。
ようやく部屋の広さなどが体感できるようになった建物内を嬉しそうに見て回る
お施主さんの姿を見ていると、こちらも自分の事のように嬉しくなってしまいます。
訊かれても無いのに細かい設計意図を語り出しちゃったりなんかして・・・(笑)
今日は外部のパネル張りまでは行わず、ひとまず作業はここまで。
これから日一日と変化して行く現場が楽しみです^^
「窓をスリガラスにすると、室内が暗く感じますか?」
これは打合せ中、よく受ける質問のひとつです。
あくまで僕の主観ですが、答えは「NO」です。
理由はあとで述べますが、むしろ透明より明るいのではと感じるケースもあるぐらいです。
外からの視線は遮りながら窓を設けたい場合、スリガラスも十分効果を発揮しますが
より外から見えにくく、オススメなのが “透明ガラス+乳白色フィルム” の組み合わせ。
洗面室の東面にある窓を上記の組み合わせで施工した例(『碧南の家』)
これはFIX窓で明かり採り専門。通風は別の場所からとっています。
天井まで届く大きな窓で、たくさんの光が入る明るい洗面室。
窓枠と、十字型に入る桟はタモ材で造作して温かみをプラス。
実際に現場で見てみて、自画自賛ですがこの窓はすごく良かったと思います。
天空光を受け、乳白色のガラス面全体が白く発光しているような状態になっています。
これこそが、人間の目が“より明るい”と錯覚する要因では?
同じワット数でも、クリア電球より乳白色電球の方が明るく感じるのと同じ理屈です。
点光源だったものが面光源に。
“窓”という面全体がフィルムを通して均一な光を拡散することで、やわらかな光で
満たされた落ち着きのある室内環境を作り出せます。
洗面室など、ともすれば明るさや快適性をはなから捨てて考えてしまいがちな場所でも
気持ちの良い空間にすることを望むのであれば、それは諦めるべきではありません。
水まわりの窓は小さくしなければいけない法など無いのですから。
Nさん、これは家の東面に陽が当たっていない時間帯の写真ですが、
朝日を浴びながらの身支度はもっと気持ちがいいでしょうね^^