西尾市『大屋根の家』スタート!
Oさんおめでとうございます!
“大屋根”とは1・2階に渡って大きな一つの屋根がかかっている造りのこと。
かねてより機会があれば提案してみたい形態のひとつでしたが、
今回はOさんご夫婦の望まれる家のあり方と、この大屋根がちょうどマッチした形です。
土地が決定し、初めての打合せの日に口頭での説明とラフスケッチだけでほぼ方向性は
決まってしまいました。
家に求める物や事が、つまり感性がOさんと僕はとても似ていたと感じます。
打合せ中に解決すべき難題に当たった時も、とても建設的でポジティブな議論のもと
結果としてすべて良い方向に変換してアウトプットできたと思います。
『通り土間の家』現場でフローリングを施工中の大工さん。
使用しているのはナラの無垢フローリング。
無垢のフローリングには塗装済みの商品と無塗装の商品があります。
塗装品の場合、ラインナップの中に好みの色があればそれで問題ないのですが
毎回うまくそれがハマるとは限りません。
そんな時は無塗装品を仕入れて、塗装屋さんに指定した色を着色してもらいます。
今回もそうした方法で、サンプルに合わせて別途着色したものを用意した訳ですが
現場を見たお施主さんから「なんだか記憶より色が濃い気がする」と連絡が・・・。
色に関しては相当気を使った部分で、まず実際に使用する無塗装のフローリングを
事前に用意して、色合わせをした塗装サンプルを複数作ってもらいました。
色決めで使用したサンプルと違いが無い事を確認した上でGOサインを出したので
大丈夫なはずとは思いつつも、結構ドキドキしながらすぐ現場へ。
手前が色決めで使用したサンプル。奥がそれに色を合わせて塗装した実際のフローリング。
貼られる前の山から抜き出して比較してみた画像です。
でも上の施工中写真をあらためて見ると、奥の方が少しだけ濃いですよね?
たとえ全く同じ塗料を同じように塗装したとしても、なにぶん相手は無垢の天然素材。
同じロットでも塗料の入り易い材とそうでない材があるため、こうした差ができます。
これは規格化された塗装品でも同じ事で、どうしても全て均一な指定通りの色に、とは
行かないのが申し訳ないところですが、かなり頑張ってくれたレベルだと思います。
中間検査の金物チェックも終わり、壁の中にも断熱材が施工されていました。
窓から見える緑がきれいです。
『通り土間の家』外壁の透湿防水紙です。
写真正面はいつも使用するタイベック。
右側はモルタルラミテクトという、左官壁のときに用いられるもの。
今回は“そとん壁”という外壁仕上げになりますので、その部分を貼り分けています。
現場では搬入済みの袋入りそとん壁が山積みになっていました。
『通り土間の家』で大工さんが使っていたRadio。
makitaといえば電動工具が真っ先に思いつきますが、こんなのもあるんですね。
道具然とした武骨さがたまりません。
発音は“レディオ”でお願いします。壊れかけてはいません。
工具や材料がキチンと整理された現場は気持ちが良いですね^^
早朝、ひんやりした空気の渓流は気持ちの良いものです。
実家のある中津川市に帰省した際出かけて来ました。
カメラ:SONY NEX-7 レンズ:SIGMA 30mm F1.4 DC DN
→ Instagram
キッカケなんていうのは往々にして他愛もないもので、僕をキャンプに駆り立てたのも
たまたまYoutubeで見かけたある一つのキャンプギアでした。
“道具”とか“グッズ”じゃなくて“ギア”。ココ重要ですからね、メモしてくださいね。
なんかこう、冒険心をくすぐられる響きですよね。“ギア”。
これがそのキッカケを作ってくれた、チタニウムヘキサゴンウッドストーブ。
VARGO(バーゴ)というメーカーの商品です。
まさに機能美。
薄いチタン製のボディで、熱で焼けてくるとその部分がきれいな青色に変化するんです。
ヘキサゴンという名の通り六角形をしていて、折りたたむと非常にコンパクトになります。
本来はウッドストーブなので、中に小枝を入れて燃やし、調理や湯沸しに使います。
ただこの商品の場合、写真のように別メーカーのアルコールバーナーと組み合わせると
非常に相性が良いため、この使い方をされている方が多いようです。
真鍮製のアルコールバーナー。エスビット製です。
本当はトランギアというメーカーが出している物の方が色合いが好みでした。
素材・形状・機能・サイズはほぼ相似で、しかもトランギアの方が元祖。
ただエスビットの方が後追い商品なだけに、ひとつ改良されている点があるんです。
火消し蓋に取っ手が付いていて、これが無いと火を消す時が一苦労。
今はピッカピカしているこの真鍮が、トランギアのような使い込まれた風合いに変化して
行ってくれることを願うばかりです。見た感じ何も塗膜は施されて無さそうなんですが
もしクリア塗装でもされてたら・・・剥離剤ですべて剥がしてくれるわ・・・!
ハイ、次。Husqvarna(ハスクバーナ)の手斧です。
北欧・スウェーデンからアマゾン経由でやってきました。紋章がポイント高いですね。
まだ砥ぐ前なので“がんばれば何とか薪が割れる”といった感じです。
キャンプを始めるにあたり、優先度が低いものばかりなのが若干気になるところですが
こういうのは心意気が大事です。
PS.翌日さっそく河原へ行って来ました。楽しかったです。
『上条の家』地鎮祭です。
Aさんおめでとうございます!
敷地への進入路から見える景色。
傍らにある樹には、大きなウロがありました。
ここは例えメイちゃんが覗き込んで足を滑らせても、巨大な妖怪の寝床に行きつくことは無い
安心設計となっています。また余計な事言いましたね・・・
さて、この家が基調としているのは“和”。
入母屋造りの瓦屋根、深い軒、LDKを囲う濡れ縁など、和の要素を多く取り入れています。
L型の濡れ縁は、室内から見るとコーナー部分にも壁が無く広い視野を確保。
ここから眺める景色が楽しみです。
日本の建築、特に木造建築では昔ながらの用語が現在でも色濃く残っていて
例えば寸法体系にしても、大工さんとの会話では尺貫法がよく用いられます。
実社会に出たとき、一番ワケが分からなくて印象に残っているのがコレ。
「インゴサンゴサンゾクモッテコイ!」翻訳すると
「1寸5分(45㎜)×3寸5分(105㎜)の木材を3束分持って来てはいただけないでしょうか?」
と、大工さんはおっしゃっておる訳です。
木造建築の多くが91センチを基本モジュールとしているのは、この尺貫法の名残りなんです。
(一尺 → 約30.3センチ 3尺→約90.9センチ≒91センチ)
またプレカット図でグリッドの順番を表したり、金物の強度を表現したりするのには
「いろはにほへと」が使われます。
金物の場合「いろは・・・」が後に行くほど高強度になっていて、
これは「は」の金物です。(引抜き耐力5.1kN)
「へ」の金物。(引抜き耐力10kN)
「と」の金物。(引抜き耐力15kN)
「と」以上は写真のようにホールダウン金物を使用する事が多くなります。
構造計算書には簡易的な平面図上に、金物の種類が「いろは・・・」で表示されているので
『通り土間の家』でもそれを元に全箇所チェックして来ました。
新しい工法や建材などもどんどん登場する中、一般社会ではあまり用いられなくなった
表現方法がいまだ当たり前なのはおもしろい事ですね。
正直なところ、いきなり「ぬ」とか「を」とか言われてもどちらが前なのか感覚的に
分かりにくいのですが、近代化の波に淘汰されず、ずっと残って行ってほしい文化です。