『碧南の家』のリビング天井は化粧垂木です。
ツーバイフォー工法で使われる、ツーバイテンという規格の木材を流用しています。
高さ6センチとか7.5センチといったサイズが多い垂木ですが、ここのは高さ23.5センチ。
断熱材を入れるため、その上に更にもう一段垂木を重ねて二重垂木としています。
初期段階では構造体として考えていた化粧垂木も、構造計算をすると上に重ねた方の
垂木だけで水平剛性が確保できることが判明したため、どうやるか頭を悩ませていた
作業手順は少しやりやすい方に行ってくれました。
垂木の間に見えている合板(野地板といいます)は化粧ではなく、このあと天井を組んで
白いクロスで仕上げますが、これをあらわしの化粧野地としてもすごく格好いいんです!
でも白なら白でとてもスッキリ見えるので、この家にはその方が合いそうですね^^
一般に広く用いられている建築の工法は、大きく分けると3種類。
RC(鉄筋コンクリート)造、S(鉄骨)造、そして木造です。
ひとつの建物の中にこれらの工法が混在することは、認められてはいるのですが
それなりの構造計算をして安全を確かめることが義務付けられています。
建築中の『碧南の家』にあるスチールの柱。仮留めの状態です。
木造建物に鉄の柱が立っていますが、そもそもこの柱には応力を負担させていないため
これは木造と鉄骨造の混構造とはなりません。
よって混構造の構造計算も不要。通常の木造の構造計算のみをおこなっています。
あとは接合部の接合方法によっても混構造か否かの判断が変わってきます。
今は柱があるだけですが、現場が進むと、この柱へさらに別のスチール部材を溶接して
あれやこれやといろいろな用途で活躍してくれる場になる予定です。
これでは何の事やら分かりませんね・・・説明可能な状態になるまでしばしお待ちください。
『碧南の家』の屋根に防水層としてアスファルトルーフィングを施工している写真。
軒先から順に、重ねしろを100ミリ以上とって留めつけていきます。
この下には構造用合板、そして垂木という順番になっており、今回はそこに使用する
釘の長さが構造計算で65ミリ以上と指定されています。
施工中、使っている釘の種類を念のため確認させてもらいました。問題なし!
耐震というのは壁を強くするだけではダメで、建物が一体として揺れに抵抗するためには
床・屋根など水平面の剛性も重要になってきます。
ですからその剛性を担保する手段のひとつとして、こうした釘種類の指定があるんですね。
他には梁の交差部などに火打ちという斜め材を入れる方法もあります。
これは2階の梁に対して入れられた火打ち材。最終的には天井裏に隠れてしまいます。
設計は、目に見えない“応力”という存在を常に意識しながらの作業になります。
出来る限りスムーズな応力の伝達ができる架構を目指したいです。
『碧南の家』の建て方が行われました。
紅白の布が巻かれた柱。
「大黒柱」という位置づけではないですが、家のほぼ中心にあるこの柱が選ばれました。
柱はすべて東濃桧の4寸(120ミリ)角なので、見た目にもがっしりしています。
東濃桧は僕の地元、岐阜県が誇る県産材。とても質の高い木材です。
一日フル稼働だったクレーン車。
浮いてるように見えますが、浮いています。このままフワ~っと飛んで帰りました。
建て方途中、当然サッシも無く柱・梁・床合板など躯体だけで構成された素の状態。
こう言うと語弊がありますが、空間として一番好きな段階です。
建て方を見守る小さなお施主さんの後姿。
なぜかディズニーシーにあるメリーゴーランドを僕が作ったと信じています。天使かな?
この子達が大きくなる頃には、この家づくりの事は記憶から消えてしまうかも知れません。
だから少しでもたくさん写真を撮っておきますね!
Nさん、本日は上棟おめでとうございます。
これから引き渡しまで、いやその先も、よろしくお願いいたします^^
2020年に始まる新省エネ基準の義務化に向け、今年に入ってから勉強会に参加しています。
これが実施されると、家全体としての省エネルギー性能が既定の基準をクリアしているか
すべての新築住宅において算定が義務付けになるということです。
(2016年現在すでにこの法律は施行されていますが強制力はなく、2020年からが義務化)
内容としては、まぁとにかく煩雑で面倒くさいの一言に尽きます。
それを専門に行う人員を配備できる大手ハウスメーカーならいざ知らず、中小の設計事務所や
工務店にはなかなか酷な制度ですね。
各家庭の消費エネルギーが減るという事は、広い視野で見れば地球温暖化や資源の問題に
直結する事でもあるので文句を言う訳にもいきませんが・・・
ただ、現在決まっているこの算定方法。
2020年からすべての建築会社がすんなり対応できるとは到底思えないので、これから
義務化の完全実施に向けてある程度は簡略化が図られるのではないかと思っています。
建物を建てる際、一にも二にもまずはっきりさせないといけないのは敷地境界ですが、
敷地の角に杭や鋲が入っていないこともよくあります。
そんなときは“隣り合う土地の所有者同士が現状の境界線と認識しているライン”をそのまま
申請上も隣地境界線として扱うケースが一般的です。
だいたいはブロック塀や生け垣、フェンスなど何かしらの仕切りがありますからね。
もちろんその位置について疑義がある場合などは官民立会いといって、それぞれの土地の
所有者プラス役所の職員も入って正式な境界を確定させるわけですが、これには
結構な時間とお金がかかります。
官民立会いを行わない場合、目印となっていた工作物も含めて解体撤去したあとに
元の境界がどこだったのか分からなくなってしまうのを防ぐためには前もって記録を
とっておく必要があります。
この敷地は以前に一度測量をしていますが、再来月の解体を控え今日は改めて細かい部分の
高低差や距離などを測ってきました。
このブロック塀も解体対象のため、境界線が分からなくなる危険性があります。
近くの側溝のグレーチング蓋から境界までが1,100ミリで・・・
ブロック塀の端から道路境界までは70ミリ、と。
とりあえずこれで解体したあとアタフタせずにすみそうです。
一日時間を作って、浜松市まで遠征してオープンハウスに行ってきました。
エムエースタイル建築計画さんの設計された住宅です。
ちょうど川本さんが席を外されていたので、残念ながら今回はお会いできなかったのですが
スタッフのお二人にいろいろとお話を伺うことができました。
どうもありがとうございました。
帰り道にあった桜。ほぼ満開です。
しかしオープンハウスに行くとモチベーションが一気に上がりますね~^^
さて、今日も図面描きます。
2,3日前にブログで紹介した、スケッチアップでパースを描いた家。
昨年から続けてきた打合せも順調すぎるほど順調に進み、今日までで一通りの内容が
すべて決まりました。
外装のベースカラーはこの三色。
左にある濃いグレーメタリックの鋼板が今回のファサードを形成する重要な素材です。
内装のベースカラー。
露骨すぎないアジアンテイストや、リゾート感を演出するための素材選択です。
木部はチークの色を基調として赤茶系でまとめていきます。
あとは細かい意図を現場へ正確に伝えるため、また見積もりの精度を上げるため
ひたすら図面の描き込みに励みます!
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