岡崎市に住まわれている方は“ビスタライン”という言葉を耳にされたことがあるでしょうか?
大樹寺から真っ直ぐ岡崎城を見通すことができる直線の名称で、その眺望を邪魔しないよう
このライン上にある建築物には建築基準法とは別に高さ規制がかかってきます。
昨日1ケ月点検で六名の家に伺った際、ビスタラインを示す鋲が前面道路に入ったことを
ご主人が教えてくれました。
実は「六名の家」は、このビスタライン上にあります。
まだ設計に入る前、敷地の調査をしていた段階でそのことは分かっていたのですが
聞いた事のない言葉だったため“なんかすごい規制があったらどうしよう”と当時少々
不安になりながら市役所に聞きにいった覚えがあります。
結果、高層ビルでもない限り無縁の規制だと分かりホッとしたのですが。
“区域”とかではなく“線の上”なので本当に激レア。
しかも、詳しい内容は岡崎市HPに載っているため割愛しますが徳川家代々のある習慣にも
関係する由緒あるラインなのです。
初めて知ったのですが Vista は「展望・眺望」という意味があるそうです。
ここでどうしても連想してしまうのは Windows Vista・・・あの・・・展望、残念でしたね・・・。
延び延びになっていた「六名の家」の1ケ月点検、本日行ってきました。
竣工写真はこちらです → 六名の家
玄関正面にある、竹細工作家の八柳良介さん作の六つ目かごを使った照明。
訪れた人からは「旅館みたい!」と非常に好評なようです^^
引き渡しに間に合わなかったキッチンカウンター上のペンダントライト。
アンティークな風合いの鋳物シェードが付いています。
夜間だとこんな感じ。背後の間接照明と合わせて空間のアクセントになります。
シェード内側の銅の色が素材感出てていいですね。
壁の大谷石も、竣工直後より緑味が増して良い感じに育ってきていました。
大谷石は石としてはやわらかい部類で、特に茶色の部分は他よりもろいため
ポロポロと表面が取れてきている部分も見受けられたのですが
「こういうのも含めて本物ならではの事だし、これでいいと思っている」
というご主人の男前な発言に助けていただきました。
南面の窓際に造りつけた木製ベンチには、色とりどりの丸い座布団が置かれています。
現在ご一家は床座の生活をしてみえるので、このベンチが腰掛けになったり
ひじ掛けになったり、暮らしの中でうまく活用してくれているようでした。
もう既に使われているのか聞くのを忘れてしまいましたが、このベンチ下の一部は
お掃除ロボット、ルンバが帰るための巣になっています。
リビングに面した小さな飾り棚を利用して、かわいらしいリースが飾られていました。
こうしてちょっとした部分におしゃれな小物があると華やかになりますね。
住み心地を伺ったり思い出話もしながら約2時間、長居をしてしまいました。
お知り合いの方々からの評判(実は内心かなり気になる部分)も上々なようで、
何よりご一家がこの家での生活に満足して日々を過ごされていることが嬉しかったです。
Hさん、今日はありがとうございました^^
建築設計の仕事に就いた頃から購読している月刊の書籍があります。
“建築知識”という題名の、構造・納まり・法律など建築設計にまつわる様々な事柄を
扱ったとても参考になる本です。
本棚に並んだ建築知識。この棚だけでなく他にもまだあります。
買った日に熟読するというよりも、解決したい課題にぶつかったとき参考になる号を
本棚から引っ張り出してきてにらめっこするというような使い方をしています。
ところがこの“参考になる号を出してくる”という作業が、量が量だけになかなか厄介で
確かどれかに書いてあったけど、どの号なのか分からないという状況が頻繁に起こります。
その探す作業の度に床に山積みになる本・・・そして過ぎて行く時間・・・
何とかしたいと思い、作ってみたのがこちら。目次集です。
少々手間でしたが、所有している全ての号の目次をコピーしてファイリングしました。
目次ページにはシリアルナンバーも入っているので、目的の項目がどの号に
載っているのか手元で一元管理できます。
さて、これで少しは無駄な時間が削れるかな?
工務店さんの見学会にお邪魔したら、土間に薪ストーブが置いてありました。
火入れを終えてさっそく活躍中の薪ストーブ。本当に温かいです。
僕はこの薪ストーブというのが大好きで、自邸建築の際には是非欲しいなと思っています。
ちゃんとしたメーカーのものであれば百万円前後とかなり高額になりますが、
もう他にかける費用を削ってでも絶対に入れます。
それぐらい日々の生活を豊かにしてくれるものなんですね。
現代の生活の中ではあまり目にすることが無くなった炎。
ガスコンロの青い炎とは違う、コントロールされていない原始的な姿が魅力的です。
体感上の温かさも相当なものですが、炎を見ながら生活する暮らしそのものに憧れます。
薪ストーブの上にはスキレット(鋳鉄製のぶ厚いフライパン)も乗っていました。
このお宅の事ではないですが、実際に今薪ストーブを使われている方に聞いたら
冷凍状態のピザをものの5分で炭にした実績があるそうです(笑)
何かとお世話になっているニムラ建築設計室の二村さん。
ずっと以前から「今教会の設計をしていますよ」と伺っていたのですが
このたび竣工したとのことで見学をさせていただきました。
青空に映えるシンボルとしての十字架。
信徒さまお一人ずつに専用に設けられた造作の引き出し。すごい数です。
屋内の十字架。壁の最終仕上げは塗りなので、光がやわらかく拡散します。
いつも柔和な二村さんらしい、優しい雰囲気の教会でした。
二村さん、お施主さま、本日はありがとうございました。
木造で建築物を建てるとき、一部の特殊な工法を除いては耐力壁という
地震・風圧などの水平力に抵抗するための壁が必要になります。
通常は“筋交い”という、木でできた斜め材を壁内に取り付けて耐力壁とし、
その両面には仕上げ材を貼って仕上げます。
壁を作るわけなので、当然ながらこれだと外を見ることはできなくなります。
通常の木製筋交いを使った耐力壁。斜め材がタスキ掛けに入っているのがそれです。
今回使用したのはブレース筋交いといって、木の代わりに細い鋼材を用いた筋交い。
木の場合と抵抗のメカニズムはやや異なるのですが、“耐力壁”というくくりは同じです。
この壁の外側に窓を付けてやると、普通は壁になってしまう部分がガラスになるので
より大きな開口をとることが可能になります。
窓を開けたところ。閉めるとブレースの向こうにガラスが来ます。
完成写真はWorksの『六名の家』に載せていますが、この部分が壁なのかガラスなのかで
かなり空間の印象が変わると思いませんか?
取付け部分アップ。
お気づきかもしれませんが、これは別に木製の筋交いであってもできます。
ただガラス面の手前に来る障害物はできる限り存在感を出したくないので
このようなブレース筋交いでスッキリ見せたいところです。
雨の日、洗濯物を室内干しできる場所があると便利ですよね。
突っ張り棒を利用するのも一つの手ですが、使わないときに部屋の中で結構存在感が・・・
この写真の物体は干すときだけワイヤーを引き出して使うタイプの物干金物で
あらかじめ決めた好きな位置に架け渡して洗濯物を干すことができます。
こちらが受け部分。本体から引き出したワイヤー先端のツマミをここに引っかけます。
使わないときは簡単にしまうことができるので室内がスッキリします。
不要なものはなるべく見せないようにとの考え方ですね。
次に、物干し竿に該当する部分も含めてスチールで製作した例。
こちらは上記とは逆に、見えてもかまわないように作るといった考え方です。
「無いと不便だけど、あると生活感が出すぎる」
生活をする上でそうしたものは無数にあります。
その対策として、隠すだけが方法ではないという例を挙げてみました。
今計画中の物件でもスチールで物干しを製作する予定があり、
その見せ方を考えている最中です。
駐車場から建物の地盤面までが少し高くなっている『六名の家』では、車いすを
使用されているお母さんのために昇降機を設置し、バリアフリー化を図っています。
玄関のアプローチ部分に車いす用スロープを設けたいという要望はときどき
いただくことがあり、もちろん今までもスロープをつけたことはあるのですが
段差が高いときは上がりきる為に結構な距離をとる必要があります。
車いす用の昇降機を使うと、スロープに必要だった分の面積を他の事(駐車場や庭)
に使えますし、何より車から玄関までを最短距離でつなぐ事ができます。