昨日行った名古屋で撮った『モード学園スパイラルタワーズ』です。
名古屋の駅前通りに立ち並ぶビル群の中でも一際目を引く形状をしていますね。
設計は日建設計。
仕上げ工事も終盤の『六名の家』
キッチンカウンター下の壁は大谷石を使っています。木のクサビで調整中。
ツガのパネリング材を使用した造作建具。穴の部分には丁番が入ります。
表面が凸凹だったりムラがあったり、一筋縄では行かないそんな部分が
自然素材にはありますが、それが永く愛着を持って使って行ける
要因のひとつだったりするのかなと思います。
群馬県在住の竹細工作家 八柳良介さんに依頼をして、“六つ目かご”という竹かごを
製作していただきました。
これは今工事中の『六名の家』で玄関正面のアイキャッチとなる壁付け照明に竹かごを
組み合わせたいというところから始まったのですが、せっかくなら既製品の流用ではなく
しっかりとした物をと思い、行きついたのが八柳さんのホームページでした。
八柳さんホームページへ→青竹細工道場
※ページ最下部のE-mailより、作品購入の依頼ができます。
何度かメールでやりとりをする中で、ご親切にも“試作品を作りましょうか”といった
ありがたい申し出までいただき、そこまでは大丈夫ですと言ったのですが、結局竹の
表面を削ったものと削らないもの、ご厚意で2通りのパターンを製作してくださいました。
削った場合は飴色に、削らない場合は艶のある藁色に、時間の経過とともに
変化して行くという事のようで、今回は削った方をお願いしました。
そして昨日届いたのがこちらの六つ目かごです。
全体が六角形と小さな三角形で構成され、点光源で照らすと美しい陰影があらわれます。
よく見ると、竹どうしの交差部にちょうど節が来るよう配慮されているのが分かります。
かごの縁部分の形状は円形、底へ行くにつれて六角形へとゆるやかに移行します。
竹ひごの表面がきれいに削られているのが分かるでしょうか。
均一な間隔を保って、手作業で丁寧に編み込まれています。
手に取ってまず驚いたのが、その作りの堅牢さです。
目の粗い竹かごなので、大変失礼ながらもう少しふにゃっとした感触を想像して
いたのですが、手で強めに押しても全く変形せず、ビクともしません。
竹ひごの厚さと作業のしやすさは反比例すると思うので、その辺のさじ加減が
職人の技なのでしょうね。
今はまだ竹の青さが残っていますが、今後の色の変化が楽しみです。
物を入れるというかご本来の使い方としては、柿やミカン、季節の果実などを入れて
置いておくだけで雰囲気がぐっと良くなりそうです。
和の物が好きなので、これはいずれ自分用にも欲しくなってきました。
八柳さん、この度は期待以上の作品をどうもありがとうございました。
せっかくのご縁ですから今後も交流をさせていただければと思います。
『六名の家』の完成は9月中旬になりますので、かごの取付けが出来ましたら
あらためてまたこのブログでも紹介させていただきます。
現在、準防火地域とよばれる地域で家を建てる際は、よほど敷地に余裕がある場合を除き
原則窓ガラスには写真のような網入りガラスを使わなければなりません。
(※防火認定がなされたシャッター付サッシを使う他、いくつかの方法はありますが)
そもそも準防火地域(および防火地域)というのは、火災が起こった時に大きな被害が
出る恐れのある、建築物密集地などにおいて指定される地域です。
網入りガラスには炎が自分の家に燃え移らないようにするという目的はもちろんのこと、
自分の家の火事で隣家へ被害をおよぼさないという目的も同時にあります。
準防火地域で、すべての窓で透明ガラスを実現するのはなかなか大変なのですが
せめてLDKぐらいは何とか知恵をしぼって透明ガラスにしたいものです。
先月に引き続き、またまたエムエースタイルさんのオープンハウスへ。
見学会やりますよとお誘いメールをいただいたので即飛びつきました(笑)
建築の考え方やアプローチのしかた、それを実際にその建物の中で
直接聞けるというのは本当にためになります。
川本さん、スタッフのIさん、お忙しい中ありがとうございました。
住宅図面は通常、A2サイズ(594×420㎜)又はA3サイズ(420×297㎜)の用紙に描かれます。
今回A2用紙を使用していたところ、とある申請でA3用紙に縮小してほしいと言われました。
しかも単純に縮小すると図面に表記してある1/50等の縮尺が合わなくなってしまうので
何割か小さくなった図面に合うようその表記も変えてほしいとのこと。
簡単にハイ分かりましたと言ったものの、よくよく考えると意外にこの問題は
難しいことに気づきました。
A2をA3に縮小コピーすると、自動設定で倍率71%と表示されているので何となく
当たりは付けられるのですが、それを精密に計算するには一体どうやれば・・・???
いろいろ調べているとヒントが見つかりました。
“1辺の長さが1という正方形を、2倍の面積の正方形にするとその1辺の長さは√2になる”
図に描いて考えると、なるほど、確かにそうなります。1:1:√2の考え方です。
A3用紙はA2用紙と形状は同じで、面積は半分。
ということは、線の長さは元の長さ×1/√2ということになります。
だから「A2で縮尺1/50」なら「A3で縮尺1/50×√2」
√2は1.4142135・・・・・なので、1/50にそれをかけると、1/70.710675・・・・・になる!
でも√2は終わりのない無理数なので、どのみち正確には書きようが無い!!(笑)
結局小数点第3位以下を切り捨てるという事で妥協しました。
他の縮尺でも、分母に√2をかけるだけなので非常に簡単です。
ちなみにですが、縮小した図面をちゃんと測れる定規もあります。
使う機会が無いのですっかり忘れていましたがペンケースにいつも入っていました。
縮小図面対応の三角スケールです。
普段特に難しく考えていない事でも、突っ込んで考えるとよく分からなくなる事って
他にもあると思います。
今回は何故そうなるのかの理屈を自分が忘れないためと、他人にそれを解るように
上手く説明できるかやってみたくて書いたら小難しい内容になりました。
明日からまたいつもの日記的な感じに戻ります。
一昨日のオープンハウスに行った帰り、エムエースタイルの川本さんより情報をいただき
静岡県草薙総合運動場体育館(通称 このはなアリーナ)も見てきました。
設計は内藤廣建築設計事務所、施工は鹿島建設です。
ファサード。屋根の量感が目を引きます。
圧巻の内部架構。意匠と構造を兼ねた集成材の垂木が屋根を支えています。
この垂木は長さ15メートル、県産材である天竜杉の集成材を使用しているとのこと。
コートを囲む観客席外周の通路を一周してきました。通路沿いは外部に面して
ほぼすべて窓になっているため、大屋根が浮いているような見た目の軽快さが出ています。
規模が規模だけに参考になるとかいう次元ではないですが、とてもきれいな建物でした。
鹿島建設のHPによると、建築中も精度を出すために相当な苦戦を強いられたようで
できれば屋根を葺く前、架構が組みあがった段階の状態も見てみたかったですね。
近年、国内外の建築雑誌に登場することも多いエムエースタイル建築計画さん。
昨日静岡で設計された住宅のオープンハウスがあり、第二東名を使って行ってきました。
エムエースタイルさんの建築は、ずっと以前から一度は見てみたいと思っていましたが
現物に触れるのは今回が初めてです。
もう、足を踏み入れたときの空気感というか、気持ちの良い感じが・・・すごい。
建築としての可能性を追及しながらも“人が住まう”という住宅のごく基本的な視点を
本当に大事にされていると感じました。
幸運にもご本人(ご夫婦お二方)とそれぞれお話しすることができ、建築に対する考え方、
思いなどを直接伺うことができました。
憧れの建築家を目の前にしてやはり少々あがってしまい、思うように言葉は出ませんでしたが
自分がこの建物に触れて感じたこと、感想だけはなんとかお話ししてきました。
エムエースタイル建築計画の川本敦史さん、川本まゆみさん、スタッフのDさん、
見学中詳しく説明をしてくださったKさん、この度は貴重な機会をありがとうございました。