去年の11月、岡崎製材さんのウルトラ市でお施主さんと一緒に探してきた
玄関の式台が『六名の家』に搬入されていました。
樹種はミズメザクラ。購入時は全体に保護用のコーティングが施されていたこの木も
すでにプレーナーにかけられて素の状態になっています。
この家では全体的に木部はイカスミ色で黒く塗装しますが、この式台は着色せず
縁に付いている耳(樹皮だった部分)も落とさずにこのまま使用します。
内部の天井に見えている梁は全部を隠さず一部あらわしに。その際きれいに見えるよう、
梁せい(梁断面の高さ寸法)をわざと必要寸法より大きくしているものも2本あります。
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『六名の家』順調に床が貼られています。
ここはキッチンが設置される部分です。配管を残して周りは養生されました。
今回はナラの無垢フローリング。最後に塗装するので搬入時は無塗装です。
この時点でも材料としては十分きれいですが、仕上げの塗装ではかなり黒く塗られます。
何せ塗装色として選んだ色の名前が“イカスミ”ですからね。
木の表情がどう変わるか楽しみです。
カキ氷ごちそうさまでした!
『六名の家』は外壁の透湿防水紙が貼られ、外壁通気用の胴縁施工まで終わりました。
内部はセルロースファイバーの吹き込みがちょうど終わったところで、建物の中にいると
外部からの音がかなり軽減されているのが分かります。
断熱性能もさることながら防音性能にも優れた断熱材です。
分電盤取付け位置に集まっている電気配線。
現在では昔に比べて電気系統を細かく回路分けするのでブレーカーの数も多くなります。
こちらはレンジフードのダクト(150φ)と、2階洗面の給水・排水管。
排水管には流水音を漏れにくくするための遮音材が巻いてあります。
週明け早々にユニットバスが搬入され、内部の大工造作工事へと進んで行きます。
今日は特に連絡して行った訳ではありませんが、たまたまお父様と奥様にも
会うことができました。
これからもいきなり行くことが良くあると思いますのでよろしくお願いします。
先日上棟を行った『六名の家』は、現在大工工事と並行して宅内の配線工事中です。
外壁の構造用面材貼りからサッシの取付けも終わり、家らしくなってきました。
デジカメ電池切れにつき今回もケータイカメラですが・・・
忙しい施主のHさんにも時間をとっていただき、すべてのスイッチ・コンセント・照明の
位置をひとつひとつ図面と照らし合わせながら現場で確認です。
この段階での現場立会いには意味があり、今はほぼ部屋の形状が出来ていて、なおかつ
まだギリギリ配線のやり直しがきくという貴重なタイミングなんですね。
もちろん打合せ段階では十分に話し合った上で電気配線図を描いているのですが
ある程度実生活が想像しやすくなったこの状態で、再度スイッチやコンセントの位置を
現実味を持って見直していただくことは大切な一手間です。
ちなみにこの電気配線立会いで何も変更が出なかったことは今まで一度もありません。
お施主さんに現場までご足労願うことはまだこれから何度もありますが
完成してからの「あーすればよかった」「こーすればよかった」を少しでも無くすため
がんばっていきましょう!
『六名の家』では台風で延びていた上棟が行われました。
Hさんおめでとうございます!
紅白の布が巻かれた柱。
これを見るといよいよ工事がはじまるなという実感が湧きます。
330㎜ある化粧梁。
天井は一部梁があらわしになる作りとしているので、そうした部分には化粧用の
きれいな材が使われています。
大工さんたちのがんばりのおかげで夕方には無事終了しました。
Hさんのご主人が仕事で来られなかったのは残念ですが、後日じっくり見てみて下さいね^^
施主のHさんにも日程を合わせて頂き、基礎までできた現場を一緒に確認して来ました。
給排水の配管まで終わった基礎部分。
太めの塩ビパイプはキッチン・浴室・トイレ・洗面などの排水管。給水管は水が水色、
お湯がオレンジと色分けされ、ヘッダーと呼ばれる部材から各室に分岐させています。
ホールダウン金物用のアンカーボルトはいつもより数が多いなという印象ですが、
これは構造計算の結果によるもの。
あとはこの段階でまだ調整がきくものについていくつか打ち合わせをし、今回は終了です。
Hさんもお忙しいところありがとうございました!
『六名の家』基礎工事は完了しました。
基礎立上がりの上面から長く飛び出しているのは、後の工程でホールダウン金物を
取り付けるためのアンカーボルト。直径が16㎜あります。
“ホールダウン金物”とは地震や風により建物が揺れたとき、土台から柱が抜けてしまうのを
防ぐための金物で、名前ぐらいは知っているという方も多いかも知れません。
阪神淡路大震災の教訓から、平成12年よりホールダウン金物を含む建築金物の規定が
大幅に改定されました。通常の在来軸組工法では必須の金物です。
いちばん心配していた部分のアップ。上から撮った写真です。
基礎と境界ブロックの隙間、わずか数センチ・・・基礎屋さんが特別に型枠を工夫して
きれいに仕上げてくれました。最低限これぐらい空いてれば何とかなるって事ですね。
調子に乗ってまたいつか無理を言ってしまいそうです。
『六名の家』では、雨の中配筋検査が行われました。
JIO(日本住宅保証検査機構)の検査員の方が現場で細かくチェック中。
設計者→現場監督→そして第三者検査機関としてのJIO。
このトリプルチェックで瑕疵を未然に防ぎます。
現場で基礎屋さんと少しお話ししてきましたが、やはり専門職の方のお話は勉強になります。
図面に線一本描くのは簡単ですが、それを作るには常に現実が突き付けられますからね。
僕が大学を卒業して建築業界に就職した頃、当時は設計職ではありませんでしたが
“設計って現場の人からはあまり良く思われてないんだな”という印象を持ちました。
「絵だけ描いて現場に来ない」「納まりの事なんか考えてない」そんな声も聞かれましたし
これは実際そうした流れが常態化していたことの表れでもあると思います。
自分が目指している職業は結構嫌われ役なのかと少しへこんだ記憶がありますが
そうした経験もあって、設計を業としている今ではできる限り現場に足を運ぶ事、
作ってくれる職人さんとコミュニケーションをとる事を心がけています。
初心を忘れないよう、これはこの先も続けていくつもりです。